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今回の一押しは「臨時費用保険金」だあ!

2004年12月13日

今月12月8日の朝日新聞にこんな記事が出ていました。
「タレントの志村けん(本名・志村康徳)さん(54)の東京都三鷹市内の自宅で7日夜、現金約40万円と多数の貴金属(一千万円余相当)が盗まれたことが分かった。警視庁は窃盗の疑いで調べている。  三鷹署の調べでは、7日午後7時20分ごろ、志村さん宅の警報装置が作動したため、警備会社員が駆けつけたところ、1階の和室の窓が破られ、たんすなどが荒らされていた。この部屋にあった腕時計や指輪などが盗まれていたという。近くの民家も同様の被害に遭っており、同署は同一犯による連続空き巣事件とみて調べている。」

 大変お気の毒なことです。まったく物騒な世の中になったもので、今の日本では殺人、強盗、おれおれ詐欺などは日常茶飯事。そのそばでは、空き巣被害など事件とも言えないような状況です。
 しかしよく考えてみると、というかよく考えてみなくても、人の家に無断で侵入し、大切なものを取っていくなど言語道断。まったくけしからん話です。盗人め、ふざけんなコノヤロー!!

 と、なぜそんなに怒るのか。実は…。実は…。実は、ついに告白してしまいますが、私も被害者の一人だからなんです。というわけで、志村けんさんの記事に触発された今回は、空き巣被害のお話を少し。トホホ。

 某月某日。その夜もいつものように近所の閉店間際のスーパーマーケットで野菜などを大急ぎで買った私は、午後11時近くに自宅に帰り着きました。そして「あー腹減ったなー。早くビール飲みてー」といつものように玄関の鍵を開け、いつものように靴を脱いで、いつものようにリビングに電気をつけたのです。ところが一瞬にして目に入ってきた光景は、いつものそれではありませんでした。

 な、なんと。引き出しという引き出しが半開きになり、中に入っていた小物や書類が床に散乱している。凄い光景。「まるで泥棒が入ったみたいだ」と、そのときは思いました。ところが本当に泥棒が入っていたのです。うわ大変だ、ど、ど、ど、どうしよう、と慌てたのですが、どうしていいものやら、さっぱり分かりません。何だか家の中をうろうろして、そうだ警察に電話しなきゃ!と思いつくまでに数分かかったような気がします。まったく情けない話。

 しばらくしたら眼光鋭い、見るからに刑事さんらしい人が数人、テレビで見たことのある青い服を着た「鑑識」の人が数人、それに近所の交番のお巡りさんが一人、バラバラとやってきました。すごい、さすが日本の警察。ピーポーは鳴っていませんでしたが、実に迅速な対応です。そしてそれから、買ってきた野菜はテーブルにおいたままで、したがって夕食にはありつけないままで、2時間ほど現場検証が行われました。
 「何を取られましたか?」「うーん犯人は二人組だなあ」「サッシの窓をドライバーでこじ開けて侵入してますー」「二階も拝見しますよー」「あーご主人、あんまり歩き回らないで」「ご家族の指紋全部取りますからねー」こんな会話が飛び交い、とりあえず掃除をしてどうにか一段落できたときには夜中の3時を過ぎていました。

 ふー。がっくり。空腹も忘れました。まったくもう、何でこんな目に遭わなきゃならないの?でも犯人と顔を合わせなくてよかったね。なんて少しほっとしましたが、しかしいろいろ考えているうちに、段々腹が立ってきました。図々しい人のことを「人の家に土足で上がり込む」と言いますが、本当に土足で上がり込まれました。私のベッドのシーツの上には運動靴の跡がくっきり残っていたんですよ。もー気持ち悪い。

 幸いなことに我が家には現金などありませんので、金銭的な被害はありませんでしたが、いろいろ調べてみたら、このコーナーの2002年7月号でご紹介したIWCの腕時計ちゃんがいなくなっていました。かわいそうに、いろいろな思いを込めてやっと購入し、我が家にやってきたのに。どこへ行ったの?今頃どこかの質屋にいるの?それとも外国のなんとかシンジケートの手に渡ったしまったの?
 あ。ああー!なんだか殺風景だと思ったら液晶テレビもない。おいおい、リモコンだけ置いていかれても、これって不燃ゴミ?…とまあこんな感じで、建物の損壊も含めるとそれなりの金額の被害にあったわけであります。

 こんな話を数人の親しい人にしたら、いや、びっくり。「えーホントに?いや、実はウチもね」と被害にあった人があちこちにいらっしゃる。○○せさんとか、てら○○さんとか、○○むらさんとか。ほんとに多いんですねえ。これをお読みの方の中にも「うちもだよ」という方が数人はいらっしゃるのではないでしょうか。
 そしてお話をした方から頂戴したお言葉は、「セ○ムに入りなよ」「留守にするなら雨戸を閉めなきゃ」「犬を飼うといいよ」などでした。しかし今日現在、私はそのどれも実行していません。

 というのは、そのあとに更にビックリすることが待ち受けていたからです。事件のあった翌日、私はすかさず火災保険の手続をお願いしている代理店の方に連絡を入れました。そしてその詳細をご説明し、蚊の泣くような声で「保険出ますかねぇ〜」とお聞きしたのです。返ってきた返事は「大丈夫ですよ、ご心配なく。数日したら警察に電話して被害届の受理番号を聞いてください」というア○○カンホームダイレクト?のテレビCMみたいな頼もしい声。

 そして待つこと数週間。出ました。入ってきました。振り込まれました。待ちに待った保険金が♪♪。らんらんらん。さて突然ですが、ここで問題です。
[問題]
 須田さん宅に泥棒が入りました。被害金額が100万円として、支払われた保険金はいくらだったでしょう。なお被害金額は現在新品を購入した場合の価格で、実際には購入後2年ほど経過しています。
@50万円  A100万円 B130万円 
 正解は次週!って税金クイズじゃないので、そんな意地悪なことはしません。ズバリお答えしましょう。正解はBの130万円なのだーーーーー!!

 なんで?もうかっちゃうの?そう思いますよね。ふっふっふっ。その秘密は「臨時費用保険金」です。火災保険にはいろいろな種類があり、そもそも泥棒被害に対応していないものもある。そんな中でグレードの高い保険に入っていると、被害金額に加えて事故の後始末費用や精神的苦痛などに配慮して損害額の20〜30%の保険金が支払われるものがあるのですよ。それが「臨時費用保険金」なのです。
 いやー知らなかった、ほんとに。焼け太りというのは聞いたことがありましたが、私の場合は盗られ太ってしまったのです。代理店さん、いい保険を勧めてくれてありがとー(泣)。というわけで今月の一押しは「臨時費用保険金」でした。

 みなさん、直ちに、いますぐに、ご自宅の火災保険の内容を調べてください。「財産総合保険」などという名前の、グレードの高い保険に入ってますか?もしそうでなかったら、保険料は大して違わないのですから、明日にでも切り替えた方がいいですよ。そうです、これであなたは大きなトクをした。間違いない!もしその恩恵に浴することができたら、あ、そんなお気遣いなく。ワイン一本でいいですから。できればシャトー・オーゾンヌ…

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