konge-log.gif

今回の一押しは「北海道開拓の村」だあ!

2005年08月15日

 今年も暑い夏がやって参りました。昨年の猛暑ほどではないような気がしますが、それでもつらい毎日ですね。私は寝冷えに弱くて、夜、エアコンをつけっ放しにすると途端に体調が悪くなるので、窓を開けて、それでもダラダラ汗を流しながら毎晩苦しんで寝ております。
 そんなときふと頭に浮かぶのは、涼しい風が吹き抜ける北海道の日々。昼間は強い日射しが照りつけても東京とは違って湿度が低く、サラッとした爽やかな空気がただよいます。そして夕方になると、何か一枚羽織りたくなるようなヒンヤリとした宵闇が訪れる。いいですねえ、たまりませんねぇ、行きたいですねぇ。
 というわけで、今回は皆様を納涼盆踊りじゃなくて、納涼北海道旅行にご案内いたしましょう。

 さて北海道といえば、私にとってはかわいいかわいい娘が札幌近郊に下宿しており、また新井さん岩崎さんと行く恒例のおどろき北海道ゴルフの目的地でもあるため、ここ数年は何回となく訪れております。
 また、レイトリーのマスターの出身地が赤平(あかびら)という何だかイタリア語みたいな響きのする町であったり、某出版社の担当者の方が留萌のご出身であったりと、私の周りには北海道出身の方がちらほらいらっしゃっるので親しみは増す一方です。

 確かに北海道は空気がきれいで、どこに行っても広々としていて、魚も野菜もおいしくて、東京に比べれば物価が安くて、すすき野の夜はちょんわちょんわで、冬は冬で白銀の別世界が訪れて、もういいことずくめのような気がします。
 でもね、時計台見て、ラーメン食べて、ビールで乾杯してりゃいいというものでもありません。私たちが今日この美しい北の国を楽しめる陰には、先人達の血のにじむような開拓の苦労があったことを忘れてはならないわけであります。おっほん。
 そして、そんな歴史を楽しみながら回顧することができる場所が、札幌のすぐ近くに立派な施設として整備されているのでありますぞ。それは「北海道開拓の村(http://www.kaitaku.or.jp/)」です。私ここが好きで好きで、北海道といえば小樽の寿司よりも先に開拓の村の景色が頭に浮かびます。

 開拓の村は、札幌からJRに20分ほど乗ったところにある「森林公園」という駅から歩いていけます。駅名のとおり、ここは野幌森林公園という広大な原生林を母体とする公園で、シンボルとなっているのが百年記念塔。開拓100年を記念して1970年に建立されたそうですが、高さも開拓年にちなんでちょうど100メートル。かなり遠くからでも気がつく美しい塔ですが、近くで見るとまるで戦艦を思わせるような鉄のかたまりです。中の階段を根気よく登ると展望台にたどり着き、遠く札幌市街が一望に見渡せます。イメージはこんな感じ。

    
 百年記念塔

    
 戦艦のような鉄のかたまり             展望台からの眺め

 そしてこの記念塔から、原生林の一角を少し散歩していくと、いよいよ開拓の村が現れてきます。
 開拓の村は、明治・大正時代に建築された北海道の建物を道内のあちらこちらから運んできて復元し展示してある、とても美しい野外博物館です。入場料を払ってゲートをくぐると、何だかタイムマシンに乗って自分が生まれる前の時代に逆戻りしたような、不思議な感覚にとらわれます。というのは、ずーっと奥の方まで、昔の建物が建築当時のまま整然と並んでいるからなんです。
 たとえば派出所や郵便局、理髪店、診療所まであります。写真をご紹介するとこんな感じ。

    
 札幌警察署派出所                島歌郵便局

    
 山本理髪店               近藤医院

 古い建物といいますが、どれを見ても実にモダンなデザインで、見飽きるということがありません。最近はどこへ行っても街の景色に特色がなく、コンビニとファストフードとドラッグストアの看板しか目につきませんが、この当時の建物は一つ一つが非常に個性的で美しい。ごく一般的な住宅や商業建築なのに、機能性と外観美がよく調和して、こんな家に住んでみたいなぁ、と思ってしまいます。

 建物は、外側を眺めるだけでなく、中に上がってほとんどすべての部屋を見ることができます。そして新聞社の建物の中には当時の印刷機や活字の棚が、医院の建物にはそのオーナーの蔵書が、という具合に、当時の生活の面影がそのまま保存されているのです。

    
 小樽新聞社の印刷機               近藤医院の患者名簿

 この施設の印象を素敵にしているのは、建物本体だけではありません。要所要所にボランティアの方がいて、来館者の質問にとても親切丁寧に応対してくれるのです。私は小樽新聞社の建物の中で、会社員生活を長くなさって第一線を退いたという男性のボランティアの方に、印刷機の使い方を細かく教えていただきました。とても心温まる、素敵な一時でした。
 そして生きた人間がいない建物には、マネキン人形がおかれていて、昔の生活を再現しています。たとえば山本理髪店では、建物の入り口にセンサーがついていて、見学者が入っていくと「うー、しばれるねぇ」なんていう会話が自動的に流れてくるしくみ。

    
 すてきなマネキンたち

 このマネキンさん、実によく出来ていまして、正直言うと、ちょっと恐い。
 まあ、理髪店ですと男性なのでそれほどでもありませんが、なぜか女性の人形は凄みがあります。これなんかどうですか?結構きてるでしょ?

    

 右の写真の台所は、写真では分かりませんがトントントン、トントントンという包丁の音がずっと流れているんです。何だか女の人が突然こちらを振り向いて、包丁を持ったまま前傾20度くらいの姿勢ですーっと追いかけてきそうで、ギャー助けてー、っていう感じ(笑)。なかなかユーモラスで本当に飽きません。というわけで今月の一押しは「北海道開拓の村」でした。

 札幌に行ったら、是非一度訪れてみてください。札幌から電車で20分、原生林のハイキングも兼ねての一日コース。自然と歴史を満喫できる素晴らしいところです。
 でも北海道といえばカニにエビにホタテだよねー。実はね、「開拓の村」の近くにすんげーおいしい寿司屋があるんだけど、知りたい?
 むふ。それはもったいなくて言えない。でも教えちゃおうかなぁ。やっぱり言えねえなあ…

 

HOME ・ LIST ・ TOP