<第百六回:問題と解答>
[出題日:2003.6.23(月)  解答発表日:2003.6.27(金)]

[問題]
 業績不振であったA社は、会社更生法により更正手続きの開始決定を受け、現在再建中で、会社の運営等はすべて管財人が行っています。
 今回、従業員に対する賞与の支給時に、裁判所の許可を受けて、管財人に対しても賞与を支給することにしました。このとき、この管財人に対する賞与はどのように取り扱われるでしょうか。次のどちらか選んでください。
@管財人は実質的に役員であるから、全額損金不算入となる。
A従業員に対するものと同じように、損金に算入される。
             <出題者:ぽー>

[正解]A
 管財人は、その会社の経営、財産の管理、処分を行うなど、明らかに経営に従事しており、役員に該当するのではないかとも考えられます。
 しかし、管財人は、裁判所によって選任され、会社再建のために裁判所の監督の下にその職務に従事するもので、その会社の利害関係者全体の利益のために財産管理、事業継続を委託された一種の公的機関であると解されており、役員には該当しないものとして取り扱われます。
 したがって、たとえ管財人に臨時的な給与を支払っても、それは役員賞与としては取り扱われず、損金の額に算入されます。