<第百三十九回:問題と解答>
[出題日:2004.2.16(月)  解答発表日:2004.2.20(金)]

[問題]
 主婦の門脇さんは株式投資が趣味です。平成15年中には上場銘柄の「梶の素」株を1株当たり1,000円で4,000株売却しましたが、その株式は下記のように購入していたものです。この場合、売却収入から控除する取得原価はいくらになるでしょうか。
@平成13年5月に1株当たり800円で3,000株購入
A平成14年7月に1株当たり700円で2,000株購入
ちなみに「梶の素」株の平成13年10月1日の終値は990円でした。
 
                 <出題者:ナショナルキッド>

[正解]
 同一銘柄の株式を複数回に渡って購入していた場合には、下記のルールに基づき譲渡原価を計算します。
@先に買った株を先に売ったとみなす(先入れ先出し法)
A単価は各回の購入額の合計を株数の合計で除した「平均単価」による
B平成13年9月30日以前から所有していた株式については、同年10月1日の終値の80%相当額を取得価額とみなしてもよい
 以上のルールにより計算してみると、
@今回売却した4,000株は平成13年に買った3,000株と平成14年に買ったうちの1,000株とみなす
A売却単価は平均法により、(800円×3,000株+700円×2,000株)÷(3,000株+2,000株)=760円になる
B平成13年に買った株は、平均単価760円よりもみなし取得価額(990円×80%=792円)のほうが高いので、みなし取得価額を使った方が有利
 したがって譲渡原価は、792円×3,000株+760円×1,000株=3,136,000円になります。
 ちなみにこの場合の売却利益は1,000円×4,000株−3,136,000円=864,000円と計算され、税負担は所得税7%(60,400円)と住民税3%(25,900円)の合計で86,300円となります。