<第十四回:問題と解答>
[出題日:2001.09.03(月)  解答発表日:2001.09.07(金)]

[問題]
 A社は資本金6千万円の9月決算法人です。同社の経理部長によれば、今期はかなり業績がよく、納税額も相当な金額になりそうだとのことです。そこで社長は、9月中に下記の「節税策」を実行するよう社員に命じました。このうち、本当に節税効果が見込まれるものはどれでしょうか。
@10月の慰安旅行費用100万円を今月中に支払ってしまえ!
A今後1年分の家賃600万円を今月中に支払ってしまえ!
Bボーナスを役員に500万円、従業員に500万円、今月中に支払え!
Cお客様を招待して今月中にゴルフコンペを開催しろ!費用100万円は当社持ちだ!
D支払の悪い取引先の売掛金はすべて貸し倒れ処理しろ!
                <出題者:ナショナルキッド>

[正解]
@ 効果なし
 次年度に行う行事の費用を今期に支払っても、その支出は前払費用として資産計上しなければなりませんので、今期の経費にはなりません。
A 条件付きで効果あり
 前払費用のうち、家賃などの継続的な取引に関するもので支払日から1年以内の期間に対応するものは、支払年度において経費に計上することが認められています。したがって、その限りでは節税効果が認められますが、ただしその条件として損金処理を継続適用していることが必要です。したがって、従来は前払費用処理をしていたのにある年度から損金処理に切り替えた場合には、直後に税務調査があると否認される危険性があります。
B 部分的に効果あり
 従業員に支払った期末賞与は経費として認められますので、節税効果があります。これに対して役員に対する賞与は、支払うことは自由ですが、税法上の損金に算入することは認められません。
C 効果なし
 資本金が5千万円を超える法人の場合、交際費は一切損金に算入されません。ゴルフコンペ費用は交際費ですので、節税効果はありません。
D 条件付きで効果あり
 貸倒損失は、当然のことですが、回収できない債権についてのみ損金算入が認められます。したがって単に支払が悪いというだけでは、貸し倒れの事実が確定していませんので、損金としては認められません。貸倒損失を計上するには、決算期末までに債権放棄をするなど、一定の手続を取ることが必要です。