<第四十回:問題と解答>
[出題日:2002.3.11(月)  解答発表日:2002.03.15(金)]

[問題]
 野村さんは生命保険に加入していますが、その契約者(保険料を払っている人)は野村さん、被保険者(保険が掛けられている人)は野村さんの妻、保険金の受取人も野村さんの妻という内容になっています。
 最近、妻にも収入が増えてきましたので、この契約の契約者名義を妻に変更しようと思っていますが、そんなことをすると贈与税がかかるとある人に言われました。本当でしょうか。
@ 契約者の名義を変えただけでは贈与税はかからない
A 変更時点で保険契約の贈与があったものとして贈与税がかかる
B 契約の内容によりかかるケースもかからないケースもある

        <出題者:ナショナルキッド>


[正解]@
 生命保険契約に関して課税関係が発生するのは、保険料の負担者が死亡した場合や、保険金等の支払があった場合に限られます。したがって、単に契約者を変更しただけでは贈与税はかかりません。
 ただしこの契約が将来において満期等を迎え、妻がその保険金を受け取った場合には、その保険金のうち夫が負担していた保険料に見合う部分については贈与税の対象になりますので、注意が必要です。
 たとえば夫が400万円の保険料を負担した時点で契約者を妻に変更し、その後妻が200万円を支払って満期を迎えて満期保険金が900万円支払われたとすると、その課税関係は次のようになります。
@夫負担分 900万円×400万円/600万円=600万円
  →夫からの贈与があったものとして贈与税がかかる
A妻負担分 900万円×200万円/600万円=300万円
  →自分が負担した保険料200万円との差額100万円について、一時所得として所得税の課税対象となる