<第五十二回:問題と解答>
[出題日:2002.06.03(月)  解答発表日:2002.06.07(金)]

[問題]
 「大変です。500万円で買ったベンツが盗まれてしまいました!」と血相を変えて警察に飛び込んできた人がいます。
 さてこの車について発生した損害は、税金の計算上どのように取り扱われるでしょうか。下記のそれぞれの場合について答えてください。なお盗難保険については考慮しないものとします。

@ 外車販売会社が顧客に納品するために保管していた車である場合
A 某株式会社が所有する社長用の車である場合
B サラリーマンが通勤用に所有している車である場合
C サラリーマンがレジャー用に購入した車である場合

        <出題者:ナショナルキッド>


[正解]
@ 仕入から雑損失に振り替える
 販売するための車の購入費は、経理上はその購入金額が「
仕入」という費用科目に区分されますが、それが盗まれたのであれば、仕入から雑損失に振り替えることになります。税務上はいずれにしても「損金(すなわち経費)」となります。
A 固定資産から雑損失に振り替える
 会社が所有する車は、固定資産に計上されています。それが盗まれたのであれば、その帳簿価額相当額が雑損失として一括して「損金」となります。
B 雑損控除の対象となる
 住宅や家財などの生活用資産が災害や盗難にあった場合には、その時価損失額のうち一定の限度額を超える金額は、「雑損控除」としてその年の所得から控除できます。医療費控除や扶養控除などと同様の扱いです。盗難時の時価を算定して、翌年の確定申告において控除を受けます。
C 原則として控除の対象とならない
 レジャー用の車は、税務上は生活に必要な資産からは除外されており、そのために雑損控除の対象にはなりません。しかし「通勤専用車」なのか「レジャー車」であるかは、現実にはその判定について見解が別れるところであり、所轄税務署の確認が必要になるでしょう。因みにレジャー用の車については、雑損控除は受けられませんが、その年またはその翌年において譲渡所得がある場合には、その所得金額から控除できる特例が設けられています。