<第六十一回:問題と解答>
[出題日:2002.8.05(月)  解答発表日:2002.8.09(金)]


[問題]
 東京都が大手銀行に対して行った外形標準課税(銀行税)や杉並区独自のレジ袋税など最近でもいろいろな税金がありますが、さて次のうち日本に本当にあった税金はどれでしょうか
 @かえる税
 A空気税
 B独身税
 C犬税


             <出題者:Lunch Time>

[正解]C
 中世のフランスにあったのが「かえる税」です。これは領主の睡眠を妨げるかえるの鳴き声を止めさせるための、労働で納める税金であったようで、領民は交替で水面をたたき、かえるが鳴くのを防いだそうです。
 人間の吸う空気にまで税金をかけようとしたのは、フランスのルイ15世時代の財務長官エティンヌ・ド・シルエットです。当時のフランスはイギリスとの戦争(7年戦争〈1756〜63〉)でカナダ、北アメリカ大陸ミシシッピ以東の全領土やインドなどの植民地を奪われ、さらに王室の浪費もあって財政難に陥っていました。彼は長官に就任するとまず、貴族や僧侶に税金をかけようとして失敗し、ついには空気に税金をかけようとしました。ところがこれも国民の猛反対にあってわずか9か月で辞任してしまいます。彼は、在任中徹底した節約をとなえ、肖像画も黒影で十分だと主張したことや、影絵作りが趣味であったことから、その後影絵のことを「シルエット」と呼ぶようになり、1835年には正式なフランス語としても認められることになります。
 「独身税」はヨーグルトで知られているブルガリアの税金です。面積は日本の約3分の1、人口は808万人と少ないこの国の悩みは、労働人口不足で、人口増大策がこの国の重要な柱とのことです。そのためか、この国には、収入の5〜10%の「独身税」という変わった税金があります。
 貞亨4年(1687年)、将軍綱吉の時、生類憐の令が出され、動物、特に犬を大事にするように命じられ、子犬を大切に、犬のケンカは水をかけてケガをさせないように別れさせるなど、丁寧な扱いをしました。その結果、野犬が増えたため、広大な敷地に犬小屋を建てて、野犬を収容したということです。そして、その費用を賄うために、江戸の町人などから徴収したのが「犬税」です。この税は、町人から間口一間につき金三分、幕府の農民から収穫高百石につき、一石の特別徴収がなされたということです。
(東京都主税局ホームページ租税教室Q&A<http://www.tax.metro.tokyo.jp/school/guide/answer-d.htm#05-1>より)