<第七十六回:問題と解答>
[出題日:2002.11.18(月)  解答発表日:2002.11.22(金)]

[問題]
 A社は、社長の出身校である県立高校から校舎の改築資金の寄附を求められ、100万円寄附しました。この寄附金はA社の経理上どのような取扱いになるでしょうか。次の中から選んでください。なお、A社とその学校は、社長の出身校というだけで事業上の関係はありません。
@ 国等に対する寄附金として、全額損金算入となる。
A 一般の寄附金として、100万円のうち一定額が損金算入となる。
B 社長に対する給与となる。



            <出題者:ぽー>

[正解]B
 本来、県立校などに対する寄附金は国・地方公共団体に対する寄附金としてその全額が損金算入となりますが、法人の役員等が個人として負担すべきであると認められるものは寄附であろうとその人に対する給与として取り扱われることになっています(法人税基本通達9−4−2の2)。
 本問の場合、A社がその学校に寄附をする理由はなく、明らかに社長個人が負担すべきものを会社が負担したとみなされるでしょう。したがって、この100万円は社長に対する臨時的な給与すなわち賞与となりますので全額が損金不算入となります。やはり、寄附金の支払いには十分な注意が必要です。
 なお、社長個人の確定申告の際には寄附金控除の適用を受けることができます。