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不動産の売却税務-居住用財産の特別控除

私は、土地を4千万円で購入し、その上にハウスメーカーに依頼して3千万円の住宅を建築することを計画しています。なお資金繰りに関しては、今まで居住してきた住宅(12年前に3千5百万円購入したもの。譲渡時の原価は3千万円)が6千万円で売れることがほぼ決まっていますので、その代金を全額充当し、足りない分は預金を取り崩すつもりでいます。そこで心配なのは税金ですが、どの位の負担を覚悟すればいいのでしょうか。

住宅を売却した場合の譲渡所得には、3千万円特別控除や買い換え特例などの優遇措置が用意されています。適用要件をよく確認して、もっとも有利な特例を選択するようにしましょう。

解説

1.居住用財産の3千万円特別控除とは
不動産を売却して利益が生じると、驚くほど高い税金がかかります。これは我が国は国土が非常に狭いため、「土地転がし」等による利益は罪悪とさえ考えられているからです。しかし我々庶民が、ごく普通の住宅の住み替えをする場合にまで多額の税金を課すのは、国民感情的にも好ましくありません。
そこで「居住用財産」を売却した場合の利益に対しては、もっとも一般的な税負担軽減措置として「3千万円特別控除」という特例が用意されています。この特例は、住宅の売却益が生じたら、その利益からとにかく3千万円を引いてあげようというものです。つまり売却益が3千万円以下であれば、譲渡所得税及び住民税は一切かかりませんし、3千万円を超える場合には、その超える部分にのみ課税されるので、一般の場合に比べると税負担はかなり軽減されます。
ご質問の場合にも、売却利益が3千万円程度ということですから、特別控除の適用により課税所得はゼロとなり、税負担は生じないでしょう。因みに、これが居住用財産に該当しなければ、譲渡益3千万円の20%の600万円程度の税金が課税されるところですから、その減税効果は大変大きなものであることがわかります。

2.居住用財産とは
ところで、税法における居住用財産とは、その名の通り、人が居住目的で所有する財産を指します。いわゆる「住宅」がこれに該当するわけですが、貸家のように所有者以外の方が利用する物件や、別荘のように所有者が日常生活の本拠として利用しない建物はこれに該当しません。具体的には、次のいずれかであることが必要です。
①現在居住している建物とその敷地
②現在は居住していないが、居住しなくなってから3年経った年の年末までに売却する建物とその敷地(居住しなくなってからの用途は問いません)
③かつて居住していた建物を取り壊してその敷地のみを譲渡する場合には、建物取り壊し後1年以内に土地の譲渡契約が締結されれば可
なおこの特例は、原則として所有者が引っ越し(居住地が移転)することを前提としています。したがって、住宅の敷地であっても建物の売却を伴わない庭先の一部譲渡は対象となりません。また、売却の相手が親子や兄弟などの親族である場合にも、認められないことになっています。

3.三千万円特別控除の適用要件
居住用財産の三千万円特別控除の適用を受けるためには、上記の要件を満たすことを税務署に理解してもらうために、必ず確定申告をしなければなりません。これは、特別控除の適用により納付する税額が生じない場合でも同様ですから、注意が必要です。なお確定申告に当たっては、住民票や売買契約書のコピーなどの書類が必要ですので、早めに税務署等で確認するようにしたいものです。
(本文は平成22年4月1日現在の法令による)

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