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税務調査に備えて-その1

税務調査とはそもそもどのようなことですか。お断りすることはできないのでしょうか。

税務職員には「質問検査権」があり、納税者はこれに応じる義務があります。
ただしよほど悪質でない限り、税務調査は紳士的に行われています。

解説

1.税務調査は拒否できないのか
恐らく誰もが税務署とは「怖いところ」というイメージを持っているでしょう。実際、各税法に設けられている「質問検査権」という規定により、税務職員には私たちの帳簿書類等を閲覧・検査する権利が与えられています。したがって納税者として、税務調査を拒絶することは出来ません。
しかし物事は考え方で大きく変わります。税務調査を一つのチャンスと捉え、日頃疑問に思っていることを尋ねたり、あるいは気づかなかった誤りを指摘してもらえば、むしろ事業発展のきっかけとなることもあり得ます。取引先に請求するのを忘れていた売掛金を税務調査で発見してもらったという、ウソのような本当の話もあるくらいです。
税務職員も人間です。最初から敵意を持たず、紳士的に応対すれば、その誠意は必ず通じます。怖がる必要はありません。

2.税務調査のタイムスケジュール
一般的な税務調査は、事前に会計事務所に訪問したい旨の連絡があり、会社の都合に十分配慮した上で、日程が決定されます。調査期間は二日ないし三日間程度、調査官が1,2名来訪するというのが一般的なスタイルです。
調査は、午前10時からお昼まで、午後1時から夕方4時半前後まで行われます。最初の日の午前中は、ほとんど雑談です。「この人やる気があるのかしら」と心配になるくらい、調査官は帳簿を見るわけでもなく、社長とおしゃべりをします。しかしあまり安心しすぎてはいけません。この段階で、会社の組織やお金の流れはどうなっているのか、経営の実権を握っているのは誰か、商品はどのルートで入荷しどのように販売されるのか、社長の人柄はどうか、などについて調査官は情報収集をしているからです。

3.調べられる事項とは
さてお昼休みも一段落すると、調査官は午前中の会話で得た情報を基に、いよいよ調査を開始します。まず最初にチェックされるのは、直前期の決算内容に関連する帳簿などです。調査のやり方には色々な手法があるようですが、一般的な対象項目は次のようなものです。
①「資料せん」のチェック…A社の売上はB社の仕入です。B社の調査で、A社からの仕入日時、金額の資料を収集し、これをA社の売上と付け合わせれば、A社の売上計上漏れが分かります。
②期首期末の取引の確認…例えば7月決算の会社が同31日に仕入れた商品は、当日に売上が計上されていなければ、期末在庫に残っているはずです。また8月1日に売上が計上された商品は、当日仕入以外は前期末在庫から売る以外にあり得ません。このような点をチェックし、期末残高の論理的矛盾が指摘されます。
③売上領収書の控えと売上帳との付け合わせ…現金取引が多い商売の場合、売上金着服の可能性があります。そこで会社が発行する領収証の控えやレジペーパーと、売上計上額との照合が行われます。
④従業員の確認と人件費(源泉税関係)のチェック…架空人件費の計上は、安易に行われやすい脱税手段です。そこで扶養申告書の筆跡、タイムカードの確認などを通じて、実在社員かどうか、業務内容と支給金額がアンバランスでないか、などがチェックされます。

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