須田邦裕の「今月の一押し!!」
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2002.11.12 今回の一押しは「伊香保カントリークラブ」だあ!
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ゴルフをなさらない方には、ゴルフ会員権という「財産」はどんなものに見えるのでしょうか。とんでもない贅沢なもの?バブルの象徴?色々なご意見があると思いますが、そんなに華やいだものではないというのが私の感想です。ゴルフ会員権を購入した経験のない方には想像もつかないお話を、今回は申し上げますよ。
私のホームコースは伊香保カントリークラブ。群馬県の渋川というところにあるゴルフ場で、昭和34年にオープンした、東武鉄道系列の群馬県ではもっとも古い株主会員制コースです。 そして銀行から借金までして、会員権業者に交渉して、どうにか会員権を手に入れることができました。と来れば、いよいよプレーかと思うでしょ?普通はそう思うでしょ?いやいやゴルフ場はそんなに甘いところやおまへんのやで。会員権を買った後でゴルフ場から入会の書類を取り寄せ、その書類に推薦人の方の署名を頂かないといけないのです。つまりお金を払って会員権を買っても、まだ入会できるとは限らないのです!そんなあほな! 私の場合、たまたま近くの証券会社の支店長さんがメンバーでいらっしゃることが分かり、ある日知り合いの方のご紹介を頂いて膝ガクガクしながら訪問し、事情を説明して快く紹介状にサインを頂けました。しかし問題はもう1名。しかも理事の方でなければならないとのこと??な、何ー。それは無理。もう絶対無理。だって私はゴルフも大して上手くないし、ゴルフ場なんて全然関係ないんですから。そもそもそう言っては何ですが、群馬県にだって何の縁もないのよ。どーしましょ。もう会員権買っちゃったし。助けてー。 心細かったなあ。だって自分の専門とは関係のない、どちらかと言えば苦手とするスポーツについて面接を受けるんですよ。本当に参りました。しかし支配人は、私の想像に反してとても優しいジェントルマンでした。私の素性を調べられるというよりは、ゴルフのマナーについて懇切丁寧なご指導を受け、特にスロープレーが他のお客様にどれだけ迷惑を掛けるかということを懇々とお話しされました。そして最後に、「結構でしょう。ご紹介しましょう」と仰って下さったのです。もう支配人の顔が仏様に見えましたね。 そしてめでたく入会!と思うでしょ?普通はそう思うでしょ?それがそうじゃないんだなあ(泣)。考えてみればこれで入会審査の条件が整っただけ。つまりやっとスタートラインに立っただけだったんですねえ。もう卒倒しそうです。次に何があるのぉ(半べそ)と思ったら、次回の理事会にあなたの入会を諮るというじゃありませんか。その理事会は、な、なんと来月だぁー。そして待つことしばし、ようやく入会許可の通知を頂きました。もしかしたら大学に合格したときよりもうれしかったかも。 こんなに苦労してやっと手に入れたメンバーの地位ですが、その後会員権の価格は音を立てて下がっています。笑っている場合じゃありませんよ。笑っちゃいますけど。でもね、それじゃあの時会員権を買わなければよかったのかといえば、それはすごく疑問なんです。慰めかもしれませんけど。 私は伊香保CCにゴルフを教えてもらいました。極論すれば、このコースに大きくしてもらったのです。そして私の最近の10年は、伊香保CCと共にあるといっても過言ではないくらい、仕事上でお付き合いのある色々な方ともご一緒しています。近頃他のコースにビジターで行く度に、その料金の安さに驚かされます。そしてほとんどのコースがビジターだけで予約を取れるようになった今日、会員権って、メンバーの権利って一体何だろうと疑問に思います。でもやっぱりメンバーコースはいい。そんなわけで今月の一押しは「伊香保カントリークラブ」でした。 |