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  須田会計事務所メールマガジン      000013   2002.12.23発行
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 □□今週の一言□□
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 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。クリスマス気分を堪能していますか?僕はクリスチャンではないので、クリスマスは関係ありません。それよりも、目の前の決算と年末調整でイッパイイッパイです。
 今年は今週で仕事納めという方が多いのではないでしょうか?須田会計事務所は年末は27日(金)まで、来年は1月6日(月)からの営業となっています。
 それでは皆さん、今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。良いお年を。

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 □□今週の税務豆知識□□
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 法人税法に、交際費等の損金不算入という規定があります。これは、法人が支出する交際費のうち一定額を経費として認めないというものですが、交際費は基本的に無駄遣いであり損金として認めたくないが、実社会においてはやはりある程度は必要なものであるという考えからこの規定が設けられているようです。そこで、交際費か否かの判断が重要なわけですが、これは実務においても時々頭を悩ませるところです。
 交際費等は、法人税法においては「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」とされています。具体的には、お客さんを招いての飲み会費用、お中元・御歳暮の費用、社外の人へのご祝儀・香典などがこれに当てはまります。
 ただし、
 ・カレンダー、手拭いなど主として広告宣伝を意図とするものの贈答品費
 ・小売業者が商品を購入した一般消費者に配布する景品費
 ・会社従業員の慰安のための運動会、演芸会、旅行などの費用
 ・得意先などに対して提供する見本品、試用品費
 ・従業員、元従業員、その親族などに対するご祝儀や香典
 ・得意先などを集めての会議のために通常要する費用
などについては、交際費としなくてもよいことになっています。
 交際費かどうか判断に迷うものがありましたら、お気軽にご相談ください。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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[扶養基準あれやこれや]
 所得税の負担額は、扶養親族(配偶者も含む)が何人いるかによって異なります。奥さんと子供2人を扶養しているAさんと、独身で扶養家族のいないBさんが、どちらもその年の給与収入が800万円だったとすると、AさんとBさんの年税額は扶養の人数に差があることだけで(配偶者特別控除・特定扶養親族は計算外で)20万円ほど違ってきます。
 これは所得税が収入を課税対象としているのではなく、収入からその収入を得るために要した費用を差し引き、さらにその人の生活面での相応な負担をも考慮した上で計算した課税所得を対象としているからです。ちなみに扶養親族の要件は、「所得者と生計を一にする親族(六親等内の血族と三親等内の姻族)で合計所得金額が38万円以下の人」と規定されています。
 一方、社会保険でも扶養に関する規定があります。被扶養者は健康保険給付を受けることができ、また、被扶養者に該当する配偶者は、第3号被保険者として自らが保険料を負担しなくても国民年金の加入者となることができます。社会保険の「被扶養者」の要件は、被保険者の三親等以内の親族で主として被保険者によって生計を維持されていることですが、その具体的な判断基準は、「年収130万円未満(60歳以上または障害者の場合には180万円未満)で被保険者の年収の2分の1未満」とされています。
 このように、所得税と社会保険とでは扶養基準に違いがあります。収入と所得の違いについて以前に説明しましたが、要するに収入が入ってきた金額で、所得は入ってきた金額から出ていった金額を差し引いた残額のようなものです。所得税は1年間の所得を集計して課税されるので、扶養控除についても扶養される人の所得を計算した上で判断することができます。これに対して社会保険料は毎月納付するので計算結果としての所得金額ではなく、すぐにわかる収入金額が判定基準となります。
 妻にパート収入がある場合、夫の扶養控除を受けるには年間の給与収入が103万円以下(給与収入103万円から給与所得控除65万円を差し引くと給与所得は38万円)でなければなりません。一方103万円を超えても130万円未満であれば夫の社会保険の被扶養者としての資格はあります。130万円を超えると妻が自分の勤務先の社会保険に加入するかあるいは国民健康保険・国民年金に加入するかの手続きが必要になります。
 といっても社会保険の手続き上、妻のパート収入が結果として1年間で130万円を超えたか超えなかったかが問われるのではなく、今現在の月収が1年間続いたら年間で130万円を超えるかどうかが基準になります。たとえば妻が10月から月収30万で勤務し始めた場合、その年の給与収入は103万未満なので夫の扶養控除の対象になるのに対して、社会保険は勤務し始めた時点から被扶養者の資格はありません。
 
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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 A社は運送会社ですが、従業員が商品の配送中に駐車違反をして、交通反則金が科せられました。この反則金を従業員の負担にすると今後従業員の士気が下がると考え、A社はこれを全額会社で負担することにしました。このとき、この交通反則金はA社の経理上どのように取り扱われるでしょうか。次のどちらか選んでください。
@その全額が損金不算入となる
Aその従業員に対する給与として取り扱われる

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 サラリーマンの竹田さんは10年前に購入したマンションを売却して一戸建てを購入しました。マンションの売却代金は一部をマンション購入時に借り入れたローンの返済にあて、残額は新たな借り入れとあわせて一戸建ての購入資金としました。不動産を売却すると譲渡税がかかるとのことなので譲渡益の計算をしたところ1,500万円の譲渡損となってしまいました。竹田さんの給与所得は毎年500万円ほどですが、マンションの譲渡損は給与所得から控除することはできるでしょうか。
@ 控除することはできない
A 今年は控除することができるが、控除しきれなかった金額は切り捨て
B 今年も控除することができ、控除しきれなかった金額は翌年以降も控除できる
[正解]B
 居住用不動産を売却した際の譲渡損はその年の所得から控除することができますが、一定の要件を満たした場合にはその年に控除しきれなかった売却損を翌年以降3年間に繰り越して控除することができます。この繰越控除の適用用件は次の通りです。
1,平成10年から平成15年までの親族以外への譲渡であること
2,譲渡資産の所有期間が5年超であること
3,一定期間内に新たな居住用不動産を購入し、そこに居住すること
4,譲渡資産にかかる借入金が譲渡日の前日まで残っていること
5,繰越控除を受ける年の年末において新たに購入した居住用不動産にかかる借入金残高があること

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☆今週号の編集責任者は 須田雅代 & 岡本理 でした。
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