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  須田会計事務所メールマガジン      000089  2004.06.28発行
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 □□今週の一言□□
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 おはようございます。今年の上半期もあと3日で終わりですね。源泉所得税の納付につき納期の特例の適用を受けている事業者の方は、来月10日までに上半期の源泉税を納付しなければなりません。半年分といったらかなりの金額になりますよ。該当する方は早めのご準備を!

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 □□今週の税務豆知識□□
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 一生懸命働いて儲かったら、その利益に「税金がかかる」ことは皆さんご存じですよね。
 この場合、利益を得たのが会社であれば、法人税という税金がかかります。法人税は、会社の「当期利益」に一定の調整を加えた単一の金額を課税対象としますので、その利益がどういう理由で生じたかを問いません。したがってその会社の本来のビジネスで得た「営業利益」も、サイドビジネスなどで得た「営業外利益」も、不動産や投資株式などを処分して得た「特別利益」もすべて合算し、みな同じ税率で税金がかかります。本業が赤字でも、財テクや土地の売却などで儲けが出れば、本業の利益と同じように課税されるわけです。
 これに対して、私たち自然人の場合には所得税という税金がかかりますが、所得税では「所得区分」というやっかいな仕組みが採用されています。すなわちサラリーマンの給料は「給与所得」、販売業やサービス業などは「事業所得」、土地を売れば「譲渡所得」というように、所得をその態様別に10種類に区分し、その区分ごとに異なる計算方法で所得金額を算出することとされているのです。
 このように法人税と所得税では、納税額の計算の仕組みがかなり異なっているのですが、そのために赤字が生じた場合の取り扱いにも注意しなければなりません。法人税はとてもシンプルですから、たとえば土地を売却して損失が生じたら、その損失は本業の利益と自動的に相殺されます。しかし所得税の場合、土地の売却損と事業所得とを「自動的に」通算することは認められていません。
 今年の税制改正で、不動産の売却損は原則として他の所得と通算できないことになりました。ゴルフ会員権の売却損も、現在は他の所得との通算が認められていますが、それを認めない改正が行われるという「噂」が絶えません。逆に、最近の新聞報道などにあるように、納税者番号制度の導入と引き替えに株の売却損などを配当や利子の所得と通算できるようにする改正が検討されています。
 同じ年に生じた利益と損失の通算を認めないというのは、総合課税を建前とする所得税制から見れば実におかしな話なのですが、税金が政策手段として利用されてきた経緯から見れば仕方がないことなのかもしれません。いずれにしても個人のレベルで何かの損失が生じたら、それが節税の手段として利用できるのかどうか、事前によく確認するようにしましょう。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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[新紙幣あれやこれや]
 新紙幣が11月に登場することになりました。ここ半年くらい銀行に行ってもピカピカの新券を入手することができなかったのは新券発行に備えて現行のお札印刷がストップしていたのが原因だったのですね。
 新紙幣のデザインは千円札が細菌学者の野口英世、5千円札が作家の樋口一葉、1万円札は引き続き福沢諭吉で裏面だけが現在の雉から鳳凰に変わるそうです。といっても私は現在のお札にどんな図柄が描かれているか全く想い描けなくて、財布からとりだしたお札を眺めてみました。長年使っていても記憶にとどまらないのは私だけでしょうか。1万円札の裏面には確かに雉が2羽・・・千円札の裏面には丹頂鶴、これは富士山と桜に変わるそうです。
 ところでこの新札、樋口一葉の肖像画(5千円札)に予想以上に時間がかかって、今年7月に発行予定だったのが11月に延期になってしまったのだそうです。紙幣のデザインを変更するのは偽造防止が大きな目的ですが、そのためこれまでは髭のある肖像画が好まれていたとか。初めての女性肖像画だけにデザインに難航したのかもしれません。角度を変えると色や模様が変わるホログラムなど数多くの偽造防止技術を採用してどのような紙幣ができあがるのか楽しみです。5千円札の印刷も8月にスタートし、これから約2年間かけて旧札との入れ替えを終える計画だそうです。記念の意味も込めて旧札を大事に保管する人も多いのではないでしょうか?そういえば伊藤博文の千円札どこかに取っておいたよな〜。ちなみに前回の新券発行は1984年11月、20年目のデザイン変更だそうです。

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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 高瀬基志さんは本年5月に88歳でこの世を去りました。高瀬さんの死後「私の財産はすべて長男始郎に譲る」という遺言が発見されましたが、生前の高瀬さんと仲違いしていた家族は「死んだお父さんの言うことなんか聞くものか」と怒り、遺言とは違う方法で財産分けをしようとしています。さてこのような場合、税務上の取り扱いはどうなるでしょうか。
@そもそも遺言に書いてある以外の方法での分割は出来ない
A相続人全員が合意すれば、遺言の指示以外の方法で分割しても、その分割内容に沿って通常の相続税が課税される
B一旦遺言通りの方法で分割が行われたとみなされ、それと異なる分割額は相続人間で贈与があったものとして贈与税の対象になる

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
ある会社では、毎年繁忙期の後に従業員全員で慰安旅行をすることが恒例となっていましたが、今年は会社の都合で旅行が実施できなくなってしまいました。そこで、従業員全員に旅行費用に相当する額を金銭で支給して自由に使ってもらおう、ということになりました。この場合、その支給額の経理処理として正しいのは?
@交際費として処理
A福利厚生費として処理(昨年までは旅行費用を福利厚生費として処理していた。全額会社の経費として認められる。)
B給与として処理(全額会社の経費として認められるが、従業員が給与所得として課税される)

[正解]B
実際に旅行を実施して、その旅行にかかった費用であれば福利厚生費の処理で問題ありませんが、金銭支給となると各人への給与として扱われてしまいます。

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