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□□今週の一言□□
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私(須田)は、ここのところ新聞に度々名前が登場しています。と言いましても、三面記事になるような事件を起こしたわけではありません。事務所のホームページと出版書籍がきっかけで日本経済新聞の取材を受け、日曜日の「サンデーニッケイ」というコーナーに掲載されることになったのです。これからもお声がかかりそうで、来年1月には日経マネーや日経TRENDYなどの雑誌にも出ますよ〜。いよいよメジャーデビューかも!?!?みんな笑わないでね〜。
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□□今週の税務豆知識□□
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「時価」。実に悩ましい言葉ですね。寿司屋に入ってメニューにこう書いてあったらどうします?「あわび…時価」。とても不安な気持ちになりません?時価という言葉にはそのくらい曖昧なイメージがあるわけです。
税務の世界でも、時価を巡ってはいろいろ難しい問題が生じます。たとえば今年日本中を震撼させた台風や地震に伴い雑損控除を受ける場合。税法の規定では、災害で生活用資産が損害を受けた場合には、その損害のうちの一定額を所得から控除できることになっています。そしてその損害額は「時価」で集計することになっているのです。でも燃えちゃった家の時価なんて計算のしようがありませんよね。
そこで税法は、その資産をいま新たに取得したと仮定した金額から、過去の経過年数に対応する減価償却費相当額を控除した金額を以て、時価とみなすことにしています。たとえば築年数10年の木造家屋が火災で全焼した場合、床面積が100uであったとすると、仮に現在の標準的な建築費が1u当たり15万円だとしたら、15万円×100u=1,500万円が新築価格となり、そこから10年分の減価償却費(正式に計算してみると4,185,000円になります)を控除した残額10,815,000円を時価とみなすことになります。
家がなくなっても、床面積や築年数などは登記簿を調べれば分かりますので、「木造なら坪単価○○円」というような建築費を業者などにリサーチして申告することになります。何だかいい加減な感じがしますが、これ以外に方法がないのですから仕方がありません。
次に相続。人が亡くなった場合には、そのなくなった日における財産の「時価」を集計して遺産額を計算し、これに基づき相続税を申告納付することになっています。でも財産の値段を自分の勝手な判断で決められたら大きな不公平が生じます。そこで皆さんご存じのように土地は「路線価」で計算した金額を時価とみなすことになっているわけです。路線価は、国税庁が発表するデータですからその客観性に問題はありませんが、一律機械的に計算しているため、ごく稀に実状にそぐわないケースも出てきます。そこでそのような場合には、不動産鑑定士が作成した鑑定評価書などを添付して申告をし、これが認められることもあるようです。
このほかにもいろいろな事例がありますが、いずれにしても値札のないものに値段を付けるといういわば元々無理なことをしなければならないので、ときには「変だなー」と思うことも生じます。いずれにしても一種の交渉ごとですから、「当たって砕けろ」の気持ちでガメつく挑戦するしかないんですね。
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□□あれやこれや一口コラム□□
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〔中小企業と会計〕
みなさんは、貸借対照表や損益計算書というものをご存じでしょうか?会社を経営されている方はもちろんのこと、そうでない方でも言葉ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?貸借対照表とは、会社の期末における財政状態を示すものであり、損益計算書とは、会社の一定期間における経営成績を示すものです。
この貸借対照表と損益計算書ですが、実は、会社の規模により、影響をうける法律が異なります。貸借対照表と損益計算書を規制する法律には、証券取引法、商法、税法の3種類ありますが、公開会社等の大企業は、主に証券取引法及び商法の影響を受け、中小企業は、主に税法の影響を受けてきたといわれています。したがって同じ貸借対照表や損益計算書でも、上場株式などをお持ちであればその会社から送られてくる営業報告書等に記載されているものと、中小企業の経営者の方が会計事務所等に依頼して作成するそれとは、作成基準が異なるという特徴があります。
しかしながら税法の基準によると、法人税の節税という面からは利点があるものの、内容の信頼性という面では十分でないため、中小企業の貸借対照表や損益計算書についても、中小企業庁等で、商法の基準にもとづいた指針づくりが行われています。
これらの指針に基づいて作成された貸借対照表や損益計算書については、借入れの際に金利優遇を行う銀行等もありますが、法人税の節税という面では、若干、不利になる場合もあります。したがって、中小企業の経営者の方々については、自社の貸借対照表と損益計算書を、節税面を重視して作成するのか、それとも信頼性を重視して作成するのか判断する必要があります。
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□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
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[問題]
亀山さんは土地を売ることになりましたが、その土地は20年前に亡くなった父の名義のままになっています。司法書士に相談したところ、自分の名前に直さないと売却できないと言われたので、兄妹と相談の上、自分が相続する登記をすることになりました。この場合、相続税はどうなるのでしょうか。
@今年の路線価で相続税がかかる
A20年前の路線価で相続税がかかる
Bかからない
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□□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
私は自動車部品の製造を営む会社を経営しています。この度中国の会社と取引をすることとなり、初めて中国へ出張いたします。現地の担当者は日本語が話せるから大丈夫だと言われていますが、なにぶん初めての取引で相手が信用できるのか不安ですので、中国留学から帰ったばかりの学生の娘を通訳に同行させようと思っています。もちろん娘の渡航費用は会社から出します。何か税務上問題があるでしょうか?なお、当社には英語に堪能な社員はおりますが、中国語を話せる社員はおりません。
@親族を海外出張に同行させれば、その費用は役員賞与となる。
A今回の場合は娘の旅費を経費として問題ない。
[正解]A
海外渡航に際して親族を同伴した場合には、たとえ法人の業務の遂行上必要であると認められるものであっても、法人が負担したその同伴者の旅費は原則としてその役員の賞与と取り扱われます。ただし、次の場合に限っては損金として認められます。(法基通9-7-8)
A.その役員が身体障害者で補佐人が必要な場合。
B.国際会議へ出席等のため配偶者を同伴する必要がある場合。
C.その旅行の目的を遂行するため外国語に堪能な者又は高度の専門知識を有するものを必要とする場合に、適任者が法人の使用者のうちにいないため、同伴するとき。
今回のケースでは、Cの場合に該当しますので、娘の旅費も経費と認められるわけです。ただし、ご家族と行ったからといって観光旅行をしてこないで下さいね。観光を併せて行った場合には渡航費用の一部は役員賞与とみなされてしまいます。
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☆今週号の編集責任者は 須田邦裕 & 山口隆司 でした。
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