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  須田会計事務所メールマガジン      000113   2004.12.13発行
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 □□今週の一言□□
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 みなさんおはようございます。さて、12月もいよいよ半ば、今年も終わりが近づいてきました。
 税金の世界で12月といえば、なんといっても年末調整。「扶養控除等申告書」や「保険料控除申告書等」などの書類をまだ提出されていない方は、早急に提出してくださるようお願いいたします。

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 □□今週の税務豆知識□□
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 今回のテーマは商法改正です。最近、新聞等の紙面にたびたび登場するテーマなので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、8日に次期通常国会に提出する「会社法制の現代化に関する要綱案」が決定いたしました。今回の改正では、商法のうち会社に関する部分を抜き出し、新たに「会社法」という法律を新設するとともに、内容についても、これまでの取扱いを大幅に変更する大改正といわれています。また、この改正により、税金面にも影響を与える可能性があるので注意が必要です。
 主な改正事項としては、株式会社の最低資本金制度を廃止し、1円でも設立可能とする一方、有限会社については、今までに設立された有限会社の名称使用は認められるものの、原則的に廃止されます。また、定款で株式を譲渡することが制限されている形態の株式会社(以下「株式譲渡制限会社」という)であれば、取締役の人数を1人とすることができます。また、監査役については、設置が任意となりましたので、設置しなくてもよくなります。
 これにより、税金面でも有利な場合があります。消費税については、原則として、設立から2年間については納税義務者となりませんが、資本金1,000万円以上の株式会社などは、設立初年度から納税義務者となります。しかしながら、新会社法により1,000万円未満で株式会社を設立した際には、現行消費税法では、設立から2年間は消費税を納税しなくてもよくなります。なお、これは、あくまで現行消費税法の話であり、新会社法の創設により消費税が改正される可能性はあります。さらに、設立事業年度においても、消費税が還付される場合もありますので、このような場合には、自ら課税事業者となることを選択した方が良いことになります。
 また、従来、人数合わせのために、代表者のご家族などを取締役や監査役とされていたような場合については、取締役の人数規制と監査役の強制設置が撤廃されることにより、これらの役職から外すことができます。これにより、今まで取締役や監査役であったために、経費として認められなかった賞与についても、経費として認められる場合があります。
 その他の改正事項としては、株式譲渡制限会社であれば、現在、取締役が2年、監査役が4年とされている任期が10年に延長されます。さらに、今まで認められなかった株式会社から合名会社・合資会社への組織変更、合名会社・合資会社から株式会社への組織変更も認められることになります。また、税理士・公認会計士などの専門家を、会社内部の監視機関とする「会計参与」制度、出資持分に応じず配当が出来る「合同会社」制度などが設けられる予定です。
 いずれにせよ、今回の改正では、この他にも多数の変更項目、新設項目があり、会社を経営されている方などにとっては、十分に検討する必要がありそうです。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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[外貨建金融商品の税金あれやこれや]
 金利の低迷が続いていて、銀行に預金しても悲しくなるほどしか利息がつきません。より収益性のある投資を求めて外貨建定期預金や外貨建MMFが人気を集めています。かく言う私も、数年前に銀行の人に勧められるままにドル建てMMFを購入しました。外貨建ての金融商品は日本のものに比べて利回りや分配率が高いのですが、むしろそれ以上に為替という大きな変動要因を抱えていて、これが一喜一憂の原因になります。MMFを購入してから投資に無関心な私でも、妙に円高円安が気になり始め、1ドル=130円になった時にはとても得した気分を味わったのですが、売却することを思いつかないあたりお金儲けには無縁のようです。このところ急速な円高が進み、あわや100円割れかという状況にはらはらしていますが、これも売却しなければ心配する必要ないですよね。
 この外貨建金融商品から受ける収益のうち、利息や分配金は源泉分離課税なので受け取ったときには自動的に納税が完了していますが、為替差損益は源泉課税とは無関係です。外貨建預金と外貨建MMFの為替差損益に対する課税はそれぞれ下記の通りで、差益が生じた場合の税金を考えるとMMFの方が有利といえます。
1.外貨建定期預金の為替差損益
 為替差益が生じた場合には雑所得として課税されます。但し、年収2000万円以下のサラリーマンの場合には、為替差益が年間20万円以下であれば申告は不要です。
 為替差損が生じた場合、雑所得内部で損益を通算します。したがって原稿料や年金の所得とは相殺できますが、給与や事業の所得と通算することはできません。
2.外貨建MMFの為替差損益
 非課税です。為替差益に課税されない反面、差損が出ても通算はできません。
 
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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 田中さんは、印刷業を営んでいます。このたび、従業員の福利厚生の一環として、各従業員の誕生日に1万円を支給することにしました。この際に税金はどうなるでしょうか。
@会社は福利厚生費として処理し、従業員は課税されない
A会社は福利厚生費として処理し、従業員は課税される
B会社は給料として処理し、従業員は課税されない
C会社は給料として処理し、従業員は課税される

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 亀山さんは土地を売ることになりましたが、その土地は20年前に亡くなった父の名義のままになっています。司法書士に相談したところ、自分の名前に直さないと売却できないと言われたので、兄妹と相談の上、自分が相続する登記をすることになりました。この場合、相続税はどうなるのでしょうか。 
@今年の路線価で相続税がかかる
A20年前の路線価で相続税がかかる
Bかからない

[正解]B
 相続税は、亡くなった人の所有する財産について、亡くなった日現在の時価で評価して課税されます。遺産を分割した時期は関係ありません。ただしすべての国税には7年という時効がありますので、これを過ぎれば課税されることはないのです。

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