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  須田会計事務所メールマガジン      000137   2005.06.06発行
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 □□今週の一言□□
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 みなさんおはようございます。6月に入り気候もだんだんと夏らしくなってきました。1日は衣替えでしたが、国会や中央省庁では「ノーネクタイ、ノー上着」による「COOL BIZ(クールビズ)」と呼ばれる軽装運動が行われているそうです。私(山口)も社会人になってからは夏でもすっかり厚着になってしまいましたが、朝の通勤電車内などでは辛い思いなどもします。一時期、「省エネルック」として半袖スーツなども登場しましたが、当時は不評だっただけに、今回は、民間にも広く浸透し、快適な通勤生活をしてみたいものです。

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 □□税務豆知識□□
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  ライブドアによるニッポン放送買収騒動以降、公開会社の会社法務の世界では、自社株の敵対的買収防衛策に関する話題がたびたび登場しています。5月27日には、経済産業省から買収防衛策に関する指針が公表され、国税庁からはその税務上の取扱いが公表されています。また、6月1日には、国内で初めて敵対的買収防衛策であるポイズンピルを導入した産業用制御機器製造のニレコに対し、新株予約権の発行を差し止める仮処分申請が認められるなど混乱も生じています。
 ところで、中小会社の敵対的買収防衛策として広く用いられている方法に、定款による株式の譲渡制限というものがあります。この方法によると、株主が株式を譲渡する際に、取締役会の承認を受ける必要があり、現在の経営陣がその株式の譲渡先に不満がある場合には、譲渡先を指定することができます。また、この譲渡先には、自社を指定することも可能であり、中小同族会社は、通常、経営陣の意図しない相手に株式が移転することはありません。もっとも、この方法は合併又は相続時の株式の移転には適用がないため、相続発生により経営陣の意図しない者に株式が移転してしまうおそれはありました。来年施行予定の新会社法では、これらの際にも、定款による株式の譲渡制限の対象とするよう手当されましたので、変更を希望する会社については、今後定款を変更することができることになります。
 なお、非上場株式を相続により取得した者が発行会社に株式を譲渡することとなった場合には、既に昨年度の税制改正で手当がなされています。株式を相続した者が発行会社に株式を譲渡する際には、税制改正前には、出資部分の払い戻しとして取り扱われ、キャピタルゲイン部分については、住民税を含め最高50%近い所得税が課されるおそれがありました。しかしながら、税制改正により株式の譲渡として取り扱われることになったため、住民税を含め20%の税率によることとなり、さらに相続税の取得費加算等の方法も使えるようになったことから大幅な税負担の軽減が行われています。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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[住民税あれやこれや]
 6月は個人住民税の月です。皆様の会社や自宅に今年度の住民税納付書が送付されてきていることと思います。今回はこの個人住民税についてのあれやこれやです。
 1.前年課税
 住民税のうち「所得割」は前年の1月1日〜12月31日までの所得に対して課税する前年課税制度を採用しています。従って、新卒の新入社員は今年度は住民税の心配をしなくて済みますが、来年からはその分負担が増えることを覚悟しておいて下さいね。一方、前年に会社を退職して今年は働いていないという場合には収入がなくても前年の所得に対して計算した住民税を納付しなければならないので、こちらも覚悟が必要です。 2.納税地
  住民税を課税する基準となる日は、毎年1月1日です。たとえば昨年A市からB市に転居し、さらに今年になってからC市へ引っ越ししたという場合、住民税納付先は1月1日に住んでいたB市です。   また、1月1日を過ぎて亡くなられた方にはその年の住民税が課税されることとなり、相続放棄等の手続きを行っていない限り相続人にこの納付義務が生じます。 3.均等割
  均等割は所得金額にかかわらず定額です。東京都の場合には、都民税1,000円+市区町村民税3,000円の計4,000円です。また、住所がなくても、仕事をするための事務所(事業所)がある場合や、本人や家族が住むために住所地以外の場所に家屋敷がある場合には、その市区町村から均等割だけが課税されます。
4.納付方法
  特別徴収と普通徴収という2通りの納付方法があります。特別徴収の給与所得者は今年度の住民税を6月から翌年5月まで毎月の給料から天引きされる形で会社を通じて納付します。普通徴収の人は市区町村から各自に送付される納税通知書で年4回(おおむね6月・8月・10月・翌年1月)に分けて納付します。
  給与所得の他に不動産所得や事業所得等があって確定申告をする場合、給与所得が特別徴収でもそれ以外の所得に対する住民税の納付は特別徴収に含めることも普通徴収で納付することも可能です。確定申告書に住民税の納付方法について選択する項目があります。勤務先にその他の所得を明らかにしたくないような場合には、普通徴収を選択しておくといいでしょう。
  転職等により新しい勤務先で特別徴収の手続きを行っていないために普通徴収の納付書が送付された場合に、新しい会社でも特別徴収(給与天引きによる納付)を希望するなら、会社に普通徴収の納付書を提出して会社から市区町村役場の税務課に届出してもらえば特別徴収に切り替えることが可能です。本来6月が納付のスタートなのでこのような手続きを行う場合は、お早めにお手続き下さい。

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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 木村さんは生前、近所の骨董市で信仰用に仏像を1万円で購入しました。木村さんが亡くなった直後、木村さんの奥さんが、これを某テレビ局の鑑定団に出品したところ、300万円の値が付きました。さて、この仏像は木村さんの相続税の計算上いくらで評価すれば良いでしょうか?
@購入した1万円
A評価額の300万円
B評価しない 

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 身よりのない桜木さんが平成16年に亡くなりました。生前に桜木さんの身の回りの世話をしてあげていた菊池さんは、裁判所から特別縁故者としての権利を認められ、平成18年に遺産のうちから2千万円を受け取ることになりました。この場合、菊池さんにはどのような税金がかかるでしょうか。
@一時所得として所得税がかかる
A贈与を受けたものとして贈与税がかかる
B何もかからない
C相続を受けたものとして相続税がかかる

[正解]B
 特別縁故者が財産の分与を受けた場合には、亡くなった人から遺贈により財産を取得したものとみなすことになっています。つまり遺言でもらったとみなす、ということです。したがって課税される税金は相続税ということになりますが、相続税には基礎控除が5千万円ありますので、菊池さんが受け取った財産は基礎控除額以下であり、結果的に課税される税金はありません。

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☆今週号の編集責任者は 須田雅代 & 山口隆司 でした。
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