◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
須田会計事務所メールマガジン 000149 2005.08.29発行
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
─────────────────────────────────
□□今週の一言□□
─────────────────────────────────
みなさんおはようございます。台風も到来し、そろそろ季節も夏から秋という感じでしょうか。それもそのはず、今週の木曜日からいよいよ9月です。今年の夏は暑かったせいか「待ち人来たる」という感じがするのは私だけでしょうか?
─────────────────────────────────
□□税務豆知識□□
─────────────────────────────────
8月1日からLLP(有限責任事業組合)法という法律が施行されました。よく、新聞や雑誌などで採り上げられている法律のためご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単にご説明いたします。そもそも、LLPとは、株式会社や有限会社といった一つの組織であり、LLP法とは、その組織を規定する法律です。
では、株式会社や有限会社とは、どのように違うのかというと大きく違います。株式会社と同じように、出資者は出資分までに責任を限定できるというメリットを有しながら、損益や権限の分配について、功績などに応じ、出資割合と異なる割合で分配することが可能となります。そして、最も大きな特徴は、法人税が課されません。といっても税金が全く課されないわけではありませんよ。株式会社は通常、営業活動により生じた収入から費用を差し引いた利益(所得)に対して株式会社自体に税金が課されることになります。出資者には、会社が配当を行うことによって、配当に対して税金が課されることになります。しかし、このLLPという組織では、出資者がLLPの事業に必ず参加する必要がありますが(金銭だけの出資は認められないため通常は出資者ではなく構成員と呼ばれます)、LLP自体に法人税が課されることなく、営業活動により生じた収入と費用等は、直接、出資者に分配され、出資者に直接、税金が課されます。
あくまでたとえばの話ですが、町内会がLLPであったとします。この町内会でバザーをしたとき、各家庭に分配する金額を持ち寄った商品の金額の割合とするのではなく、あらかじめ決められた貢献割合等によって売上金や経費等を分配するものです。そして、町内会に対してではなく、各家庭の個人(出資者)が、その分配された売上金や経費等に基づき確定申告をして、税金が課されるという仕組みです。なお、損失の分配については、租税回避行為を防止する意味から出資額を限度とします。
では、この組織は、どのような際に用いられることが予定されているのかといえば、個人や法人が連携して共同事業を行う際、例えば、企業同士の連携、産学の連携、専門家同士の連携が必要とされる際に用いられることが予定されています。欧米では、弁護士や会計士などの共同事務所にこのような組織が広く用いられ、定着しています。しかしながら、我が国では、弁護士や税理士といったいわゆるサムライ業といわれる職業については、当面の間、採用が見送られており、普及するか否かは今のところ未知数といったところでしょうか。
─────────────────────────────────
□□あれやこれや一口コラム□□
─────────────────────────────────
[大か?小か?あれやこれや]
「大きいことはいいことだ」を知っていますか。山本直純さんが大きなアクションで指揮をしていた森永チョコレートのCMコピーですが、1967〜68年にテレビ放映されていたのだそうす。なんと38年も昔!です。高度成長期の世相が的確に現れた言葉だと思ったのですが、現実には人々の生活は厳しかったようで、当時の森永製菓の弁によると、「小さなしあわせ、小さなマイホーム…われわれは個人生活の面で必要以上に小ささを強調され、がまんさせられている。それを、つっぱって大きいことはいいことだと明快に断定した思想が共鳴された。大は小を兼ねるという伝統的なことわざの今日的表現でもある」とか。大きく成長することに夢を抱いていた、大半の国民が贅沢を知らなかった頃の気持ちが痛いほど表れていると思いませんか。
これとは反対に近頃の風潮は、もっぱら「小さいことはいいことだ」のようです。成長の極みを超えてバブルが弾け、底の見えない右肩下がりを続けてきた結果の選択なのでしょうか。30日の公示を前に既に白熱している衆議院選挙ですが、今回の選挙は小さな政府か大きな政府かを選ぶ「国民投票」だといわれています。小泉首相や竹中大臣が推奨する小さな政府とは、政府の市場への介入や社会政策を少なくする考えで、「官から民へ」というスローガンや、構造改革や郵政民営化もその一環にあたります。
「民」の世界ではすでに様々な縮小化・統廃合が行われています。CMの世界で近頃良く目にするコラボレーションCMは、ある意味で発展的統合と言えると思います。コラボレーションCMとは、単一のコマーシャル作品の中で、異なる企業の商品を紹介する手法のことで、2001年にサントリーが放映した、缶コーヒー『BOSS』のCMがその先駆けとなりました。このCMでは同じ登場人物とストーリを核にして、SKY PerfecTV・フジカラー・KDDI などの商品も同時に紹介され、「意外な組み合わせが、新しい価値を産み出した」ことで注目されました。1社では不可能な企画が、業種が異なり競合とならない複数社が共同することで、規模も内容も新しい作品創出につながったということでしょう。
こんなコラボレーションが官庁間で活発に行われれば、縦割り行政の問題なんてすぐに解決するはずなのですが。「小さいこと」への移行が、後ろ向きな排斥的な発想で行われるのでなく、斬新で自由でフレキシブルなコラボレーションを可能にするために発展的に行われるのであれば、日本の未来も明るいかもと考えたりしながら、「誰に投票しようかなあ」と迷っています。
─────────────────────────────────
□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
─────────────────────────────────
[問題]
飯田さんは娘の直子さんに所有する時価50万円の株式を贈与することに決め、直子さんもこれを了承しました。しかしながら、飯田さんは贈与する株式の名義変更を証券会社に依頼する際、誤って、時価500万円の別の株式を名義変更するよう依頼してしまいました。その後、すぐ飯田さんの名義に戻したのですが、この場合、この時価500万円の株式に対して、贈与税は課税されるのでしょうか。
@される
Aされない
─────────────────────────────────
□□先週の税金クイズの解答発表!□□
─────────────────────────────────
[問題]
大泉商事鰍ニ小泉商事鰍ヘ、相互に売買取引のある中堅商社です。今回、両社はそれぞれの売掛金を相殺することとし、互いに250万円の領収書を発行しあって取引残高を精算しました。この場合、それぞれが発行する領収書に貼付消印する収入印紙はいくらでしょうか。
@0円
A200円
B600円
[正解]@
印紙税は流通税ですから、お金の受け渡しの際に発行される領収書に収入印紙を貼付して消印することが義務づけられています。しかし相殺という取引はお金のやりとりがありませんので、理論上課税されません。したがって、ただし書き欄などに「相殺」と明記した領収書は、印紙を貼付する必要はありません。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 須田雅代 & 山口隆司 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
http://www.suda.gr.jpです。
☆本メールに関するご意見・ご要望を是非お寄せ下さい。アドレスは
mail@suda.gr.jpです。
☆アドレスの変更や配信中止についても上記のアドレスまでご一報お願いします。
☆本メールに返信されましても、ご対応できませんので、ご了承下さい。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲