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□□今週の一言□□
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おはようございます。最近ようやく涼しくなってきました。先月長野に旅行した際にススキを採ってきて部屋に飾っていましたが、今月に入っても全く涼しくならずミスマッチな感じでしたが、やっと季節が追いついてくれました。今週は平日が3日しかありませんが、短期集中で頑張りましょう。
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□□税務豆知識□□
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<源泉徴収事務の注意点>
今回は経理事務の一つで、従業員などの個人の税金を管理する源泉徴収制度についての豆知識です。会社や個人事業主などが源泉徴収事務を行う際に注意すべき点を挙げてみようと思います。
まず、源泉所得税の納付に関して。給料や弁護士報酬・税理士報酬などの支払者はその支払いの際に源泉所得税を預かり、原則翌月10日までに納付する、ということはご存じのことかと思います。ただここで注意が必要なのが「支払いの際」という点です。この「支払いの際」とは、実際に金銭の交付があった時を意味しますので、例えば給料が9月末締め10月5日支給の場合は、この9月分の給料から控除する源泉所得税の納期限は11月10日、ということになります。9月分の給料だから納期限はその翌月(10月)10日、としてしまわないように注意して下さい。給料の実際の支給日が10月中ですので、源泉所得税はその翌月の11月10日までに納付すれば大丈夫です。
なお、毎月の給料から控除する源泉所得税の計算にも細心の注意が必要です。給料の支給を受ける人の扶養する家族の人数によって税額も変わってきますので、年の途中で従業員からの扶養家族の変更届出があった場合には、速やかにこれに対応して下さい。扶養の人数を誤って計算していると、年末調整の際に困ったことになりかねません。例えば月々の給料から預かるべき源泉所得税を誤って少なく計算していた場合には年末調整で不足分を徴収しなければならなくなり、税金が戻るどころか逆にマイナスで、損した気分を味わうことになってしまいます。
税務署も人的所得控除の情報に関しては細かくチェックしており、扶養の人数を誤って年末調整をしていたような場合には修正を求める通知が後で来てしまいます。源泉徴収の事務はなかなか手間のかかるものですが、会社や個人事業主が各個人に代わって税金を納める重要な手続です。間違いがもとで従業員に迷惑をかけてしまうことのないよう、ご注意下さい。
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□□あれやこれや一口コラム□□
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先日、カネボウの粉飾決算に関連して、中央青山監査法人の公認会計士が逮捕されるという事件がありました。経営不振に陥ったカネボウグループの経営成績を表面上、良く見せるため、経営成績が悪い子会社をグループから外し、経営成績の良い子会社だけをグループ会社とする粉飾方法に加担したものです。今回の粉飾事件は、カネボウという老舗企業と中央青山監査法人という最大手の監査法人が舞台となったことで話題になり、連日の新聞報道に至っています。
さて、須田会計事務所は税理士事務所なのですが、業界の方はともかく、一般の方で、税理士と公認会計士の違いを正確にお分かりの方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?また、年輩のお客様からは計理士さん(?)とも呼ばれたりしますが、計理士との違いは何でしょうか?
そもそも、それぞれの士業には根拠法があります。税理士であれば税理士法、公認会計士であれば公認会計士法などです。計理士に関しては、既に法律自体、昭和23年に廃止されており、現在はかつて計理士として登録した方に限り、計理士の名称を使用することができるだけになっています。
それぞれの根拠法に拠ると、税理士は、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」とあります。公認会計士は、「監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」とあります。
つまり、税理士は、税務の専門家で、公認会計士は、監査及び会計の専門家ということです。一応、法律上はこのようになっているのですが、実際は、税理士は、中小企業や個人を中心に税務業務(申告書の作成業務)と会計業務(帳簿の作成や財務諸表の作成等)を行い、公認会計士は、大会社を中心として、会計監査業務(会社が作成した帳簿や財務諸表のチェック)を行うのが一般的であるとされています。もっとも、監査法人に所属する公認会計士以外の町の公認会計士は、同時に税理士登録をしており、税理士と同様の業務を行っている場合が多く、業務自体に大きな差はないものと考えられています。
いずれにせよ、根拠法で求められている「納税義務の適正な実現」や「会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等」を逸脱した行為を税理士や公認会計士が行えば、当然罰せられることとなります。資格の差はあれど、どの仕事にも共通する職業上の高い倫理観をもって仕事を行わなければならないということですね。
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□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
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[問題]
田中さんはある会社の役員をしていますが、昨年から新たに関連会社の役員も兼務することになりました。2つの会社から報酬を受けた関係で、田中さんは昨年分の所得税の確定申告をしました。すると後日、税務署から予定納税の通知書なるものが届きました。通知書には、7月と11月に所得税の予定納税(その年分の所得税の前払い)が必要な旨が書かれていたので、田中さんは「毎月の給料から源泉徴収されているのに、なぜそれとは別に納める必要があるのか?」と不思議に思いました・・・・・さて、次のうち正しいのはどちらでしょうか?
@今年も毎月の給料から源泉徴収をされているので予定納税の必要はない
A通知の通り予定納税をしなければならない
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□□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
Mさんはお父様の死亡により家屋を相続しましたが、相続税の申告書の提出期限前にその家屋が火災により全焼してしまいました。
この場合、相続税の申告はどうなるでしょうか?
ちなみに、債務控除後の相続財産の価額は2億円で、火災による被害額は3,000万円でした。
@相続開始時の相続財産について課税されるので、火災による被害額については考慮されない
A債務控除後の相続財産の価額から、被害額を控除した課税価格に対して相続税が課税される
[正解]A
相続税の申告書の提出期限前に、震災、火災その他の災害により、相続または遺贈により取得した財産が被害を受けた場合において、次の(イ)または(ロ)の要件のいずれかに該当するときは、被害財産の価額を控除して課税価格を計算します。
(イ)相続税の課税価格の計算の基礎となった財産の価額(債務控除後の価額)のうちに被害を受けた部分の価額の占める割合が10%以上であること。
(ロ)相続税の課税価格の計算の基礎となった動産等の価額のうちに当該動産等について被害を受けた部分の価額の占める割合が10%以上であること。
ちなみに、この場合の被害財産の価額とは保険金、損害賠償金等により補てんされた金額を控除したものです。
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☆今週号の編集責任者は 小峰崇志 & 山口隆司 でした。
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