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  須田会計事務所メールマガジン      000166   2005.12.26発行
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 □□今週の一言□□
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 ♪ほーたるのーひーかありー、まーどーのーゆーーきー♪ 光陰矢のごとし、須田会計のメルマガも今回が年内最終号となりました。本年一年間ご愛読を賜り、誠にありがとうございました。来年も1月10日よりしつこく配信予定ですので今後ともよろしくお願いします。どうかよい年をお迎え下さい。

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 □□税務豆知識□□
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 去る12月16日、年末恒例の与党税制改正大綱が発表されました。これで来年度以降の税制改正の方針が示されたわけですが、皆さんもご存じのとおり、来年から半減される定率減税が再来年には全廃される、タバコの税金が来年7月から1箱当たり20円値上げになる、発泡酒やワインも同5月から増税されるなど、もう増税カラー一色の改正です。スモーカーの方、タバコを買い置きしてもまずくなるだけでしょうから、この際禁煙を目指しましょう!
 さてそんな中で、あまり大きくは報道されていませんが、実務的にかなり影響のある規定を発見してしまいました。たとえば次のような改正案はご存じでしたか?
(1)同族会社を経営する役員とその親族等が、その会社の90%以上の株式を所有し、かつ日常業務に従事する役員の過半数を占めているときは、その役員に支給する役員報酬のうち給与所得控除額に相当する部分の金額は会社の損金に算入されない。
 なにい?これは大ごとですぞ!すなわち典型的な三ちゃん家業の同族会社では、殆どの場合において株主も役員も親族だけで構成されていると思いますが、そのような場合いままでは社長の給料を全部会社の経費に落とせていましたが、今後はそのうち一定割合が経費にできなくなる、というわけです。
 個人事業であれば利益がそのまま所得金額になるのに対し、その事業を会社組織にすると、利益が役員報酬という給与収入に形を変えることになるため、そこからさらにサラリーマンの必要経費である「給与所得控除額」を控除できるわけです。これが会社設立の節税メリットの一つだったのですが、今後は個人所得から控除できる金額を会社の利益に加算しよう、というわけです。うーん、国もなかなかやりますなあ。合法的な節税策は次々に封じ込められていきます。それがいやだったら、従業員に株式を公開したり親族以外の人を役員に登用したりするしかありませんね。
(2)会社が支出する交際費のうち、一人あたり5千円以下の一定の飲食費を除外する。
 これは朗報かな?詳細はまだ不明ですが、今まで交際費と会議費の区分が多少不明朗だったものが今後は金額基準で明確に線引きできる。これからはとにかく一人1回5千円以内!これを合い言葉に、景気振興のためにジャンジャン食べましょう。でも5千円って意外に少ないかも。羽目を外さないように気をつけましょうね。
 この他にも地震保険料控除の創設、役員賞与の一部損金算入など様々な規定がありますが、長くなりますので追々解説していきたいと思います。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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[今年の漢字]
 毎年年末になると今年の漢字が発表されます。これは財団法人日本漢字能力検定協会が全国からの公募をもとに、今年1年を表す世相漢字を12月12日の漢字の日に発表しているものです。今年は「愛」でした。愛・地球博の開催、紀宮様の御成婚、アイちゃんという女性たちの活躍など愛を連想させる出来事がたくさんあった反面、凶悪な事件も多発して、人を愛するという心の欠如も感じられる1年だったから、というのが理由だそうです。過去10年間の漢字を見てみると1995年の「震」から始まって「食」「倒」「毒」「末」「金」「戦」「帰」「虎」「災」でした。これを見てその年に何があったか思い出せますか?それにしても決して良い意味とはいえない漢字が並んでいて、日本の過去10年は暗い出来事が多かったんだなあと改めて思います。これから始まる新しい10年は良いニュースがいっぱいあるといいですね。
 ちなみに我が家の今年の漢字は「新」ですね、きっと。新婚だったし、家も新築したし、新しく家族も増えたし(犬だけど)、新しいことずくめの1年でしたから。と思っているのは私だけで、夫は、それに伴うバタバタ全部引き受けたのはこっちだ!ってことで「辛」って言うかもしれません。

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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 村松さんは年間の所得金額が800万円ほどのサラリーマンです。平成6年にマンションを購入し、ここに家族4人で住み続けてきましたが、子供が大きくなってきたので今年新しいマンションに買い換えました。今まで住んでいたマンションの売却金額は2,000万円、新しく購入したマンションの取得金額は5,000万円です。売却したマンションの当初の購入金額のうち売却時点での帳簿価額相当額は3,800万円と計算されますので、村松さんは今回の売却で1,800万円の売却損を被ってしまったことになります。
 旧マンションは自己資金と住宅ローンで購入し、今年の売却時点でのローン残高は500万円となっていましたが、これは旧マンションの売却対価で返済しました。また新しいマンションは、妻や親も資金を出してくれたのですべて自己資金で購入することができ、ローンはありません。
 このような場合、村松さんが本年分の確定申告をしたら売却損についてどのような救済措置を受けられるでしょうか。
@控除は一切受けられない
  A売却損1,800万円すべてを給与所得と相殺し、引ききれない金額は来年以降に繰り越すことができる
B売却損のうち一定割合の金額だけを給与所得から控除できる

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
 当社は文具品の製造を行う12月決算の会社です。来年1月号の雑誌に新製品の広告を出すこととしました。広告料に100万円程度かかり、12月中に支払は済ませました。広告が掲載されるのは1月(来年度)ですが、広告料は当期の損金と出来ますか?
@当期中に支払が済んでいるから、当期の広告料となる
A広告が掲載されるのは来期になるから、来期の広告料となる

[正解]A
 損金の額に算入するためには、債務が確定していることのほか、その事業年度終了の日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していることが必要です(法基2-2-12)。このケースでは、当期中に広告料の支払に対する給付(広告の掲載)をまだ受けていませんので、当期の損金とすることは難しいといえるでしょう。

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☆今週号の編集責任者は 須田邦裕 & 泉麻里子 でした。
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