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  須田会計事務所メールマガジン      000171   2006.02.06発行
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 □□今週の一言□□
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 先日浅草に行く機会がありました。浅草寺の五重塔は東京大空襲で焼失したものの、関東大震災では倒壊しなかったとか。パソコンがない時代でもちゃんと耐震強度の構造計算がされていたのですね。人間の脳や倫理観はだんだん退化しているんでしょうか?

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 □□税務豆知識□□
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 知人からこんな話を聞きました。亡くなった母の遺品の着物を整理していたら、着物の間からヘソクリの1万円札、5千円札があちこちから出てきたというのです。きっと隠しておいたご本人もお忘れになっていたのでしょうね。
 これが少額の現金だったらまだいいのですが、見つかったものが債券や株券、あるいは金の延べ棒だったりしたら!それは無視できない問題です。もし遺産の分割協議中に見つかったのであれば、発見された新たな財産を遺産の中に加えて分割協議を整え、必要であれば相続税の申告をすればいいので問題はありません。しかし、すべて法的な手続きが終わり、落ち着いてから遺品の整理をしていたら、あっとびっくり!なんて場合だったら?財産を残してくれた父や母の節約生活に感謝しつつ、次のステップを考えましょう。
 まず、当初作成していた遺産分割協議書に「後日新たな財産が発見された場合」の記載があれば、それに従います。もしその記載がなければ、当初の遺産分割協議書はそれで有効とし、新たに発見された財産について相続人の間で別の遺産分割協議書を作成するのが一般的なようです(発見された財産があまりに多額で当初の遺産分割に重大な影響を与えるような場合は除く)。
 分割協議が整ったとして、では相続税の申告はどうしましょう。新たな相続財産がみつかったことにより申告の必要が生じたならば、期限後申告書を提出することができますし、既に相続税の申告書を提出していれば、修正申告書を提出します(相続税法30条、31条)。ここで重要なのは、つつみ隠さず申し出ること。なぜなら、自ら申告すれば、無申告加算税が本来の15%から5%に、過少申告加算税については課税されない等の軽減が受けられるからです(詳しくはメールマガジンNO.167ご参照下さい)。ただし、税務署から調査があるという連絡が入ってからあわてて探してみて、財産が発見されたからと修正申告書を提出しても「調査を予知して」提出したとして加算税の軽減の対象にはなりませんのでご注意下さい。「清く、正しく、美しく」いきましょう。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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<熟年離婚>
 昨年10-12月期にテレビ朝日で放映されたドラマ「熟年離婚」。平均で20%に迫る高視聴率だったことから、世間の関心の高さが伺えました。
 離婚件数は、2002年の約29万件をピークに2003年以降は年々減少していますが、この減少の理由として、「離婚時の厚生年金の分割制度(詳細についてはメールマガジンNo.145をご覧下さい)」の導入が掲げられています。2007年4月以降に離婚した場合、夫婦の合意又は裁判所の決定(ここポイントですよ!)があれば、夫の報酬比例部分(もし夫婦共働きならば、両方の報酬比例部分を合算)のうち最大2分の1を妻が分割して受け取れるというもの。ですから、2007年4月以降に離婚を切り出そうと、世の妻達は虎視眈々待っている訳ですね。分割制度の導入により、専業主婦の妻の多くは、国民年金と合わせて月10万円前後の収入を確保できると考えられているそうです。
 基礎年金だけよりはマシかもしれませんが、月10万円前後の収入でどの程度の生活が営めるのか、東京じゃ家賃だけでほとんどなくなりそうな気もします。それでも離婚に踏み切る妻(専業主婦)の思いはまだよく分かりませんが。
 ここで、面白い(と私が思った)データを一つ。
 1980年代以降、離婚は社会現象から経済現象へと変貌を遂げ、景気の先行指標的な動きを見せるようになったというのです。
 というのは、80年代前半の景気の落ち込みに対して、まさに「カネの切れ目が縁の切れ目」とばかりに離婚件数は上昇し、96年の景気回復前にはそれまで増加していた離婚件数が横這いになるなど、1〜2年のラグをおいて、景気に対して離婚件数が先行上昇・先行減少しているというのです。その原因はまだ解明されておらず、女性の動物的カンがそうさせるのでは?などとささやかれているのだとか。前述した2003年以降の離婚件数減少も、これに照らし合わせると2004年以降の景気回復を彷彿とさせるのです。まさに女のカンはコワイ。。。
 これまで妻から一方的に離婚を切り出され、おろおろしていた男性陣もこの頃は、心の準備・金の準備を進めているようですが、それも切り出されたら一応用意はあるという程度のもので、自分から積極的に切り出す人はやはり女性より少ないと言えそうです。
 22歳で大学を卒業した男性が、週休2日制の企業で年に50週、定年の60歳まで通勤時間を含め一日に12時間働いたとすると、総労働時間は11万4000時間。定年後の一日の自由時間を14時間とすると60歳の平均余命22年で11万2420時間。それまで労働していた時間と同等位の妻との共有時間ができることになります。ちょっとぞっとしますね(笑)。それを日がな一日家で過ごして妻に煙たがられるのか、趣味やボランティアに奔走するのかによってもその後の婚姻生活は変わりそうですね。
 とはいえ、逆に夫の定年後家ゴロしている妻に愛想をつかした夫が、離婚を切り出さないとも限らない日が来ないことを祈るのみです。

参考:厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)
    アエラ(2月6日号)
    社会実情データ図録(http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/index.html)

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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 当社は今年設立したばかりの資本金1千万円の専門商社です。営業マンは国内出張が多いため、その出張旅費の精算をどのようにするか頭を悩ませています。次のうち、給与ではなく旅費交通費として経理できるのはどれですか?
@目的地や役職ごとに日当を決め旅費規程を作成し、それに基づき定額を支給する
A出張の度ごとに必ずレシートを添付の上、実費精算してもらう
B上記@、Aどちらでもよい

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 Aさんは父親を亡くし、財産を相続することになりました。Aさんは、銀行の預金2,000万円、時価2,000万円の三鷹市の土地、そして時価5,000万円の小金井市の土地を相続しました。その結果、Aさんが負担すべき相続税が2,000万円と計算されました。さて、Aさんは「2,000万円の預金で税金は払えるけど、払ってしまうと現金が残らないなあ。なんとか現金を残したいんだが・・・」と考えていますが、Aさんが選択できる方法は次のうちどれでしょう?
@物納という制度を利用して、預金の代わりに三鷹市の時価2,000万円の土地をもって相続税を納める
A物納の制度は利用できないが、延納という制度を利用して相続税を分割払いにする
B2,000万円の預金をもって相続税を一度に納める(物納も延納も利用できない)

[正解]B
 相続税は金銭で一度に納めるのが原則です。一度に納めることができない正当な理由があり、担保を提供するなどの一定の要件を満たせば延納が認められます。この延納を利用しても金銭で納めることができないようですと、初めて物納という選択肢がでてきます。しかし物納が認められる財産の種類が決まっているなど、物納はごく限られたケースにしか認められません。

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☆今週号の編集責任者は 高橋英江 & 谷村和美 でした。
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