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  須田会計事務所メールマガジン      000177   2006.03.20発行
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 □□今週の一言□□
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 春です!桜の開花ももうすぐです!行楽シーズン到来です!花粉にもめげず、お出かけしたーい。でも先立つものが。。。お給料が待ち遠しい私(高橋)、今週もがんばって働きまーす!

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 □□税務豆知識□□
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<収益計上時期>
 とうとうオープンしましたね〜、表参道ヒルズ。予想をはるかに上回る入場者数だとか。表参道ヒルズのHPによると、建築家安藤忠雄氏に設計を依頼したのが1998年、竣工が2006年1月。これだけの物件になると、設計から完成までの年月も相当になります。税務会計の面からみると、こういうケースでは工事の進行のつど収益を計上する「工事進行基準」が適用となっているでしょうから、工事を請け負ったゼネコンでは完成まで7年間も売上が計上されていないってことはないと考えられます。
 こういう事例はまれですが、通常、物を販売したり家を建てたりソフトウェアを設計したりという事業活動においてはどうかというと、売上の収益計上時期は次のように決められています。
@たな卸し資産の販売による収益の額は、その引渡のあった日(法人税基通2-1-1)
A請負による収益の額は、その目的物の全部を完成して引き渡した日、又は役務提供の全部を完了した日(法人税基通2−1−5)
 サービス業を例に挙げれば、上記によると役務の提供の全部を完了した日に収益を計上することとされていますから、例えばレッスンの授業料を1年分先に受領していても、決算のときまでにレッスンが終了している分だけを売上に計上し、まだ授業を行っていない分については売上にしなくてよい、ということになります。反対に、運送業で決算日に配送が終了していれば、代金が未収であってもこの分は収益計上しなくてはなりません。
 そして当然のことながら、来期回しとなった売上に伴う費用については、先に支出していたとしても経費にはできません。ご承知のとおり、売上とそれに伴う経費は同年度に計上しますので、工事の完成引渡がまだであれば、それまでにかかった費用がいくらあっても、引渡になるまでは仕掛品や前払金、前払費用等の勘定で資産計上し、損金にはしません。売れ残っている商品や材料があれば、棚卸資産に計上します。忘れてならないのは、包装材料やカタログ、切手などで期末時点で未使用のものがあったら、これらも貯蔵品という勘定で資産に計上しなければならないことです。決算日に未使用であるということは、今後の販売活動において使用されるわけですから、これらも来期以降の売上に伴う費用と考えます。常に売上と経費は紐付きで考えてください。
 もし工事完成の時期が毎年3月になるとか、商品が集中して売れる時期が3月になるなど、売上がある時期に集中するような特殊な業態の場合には、決算期を繁忙期を過ぎた月に変更すれば、決算の作業がスムースに進むといえるかもしれません。それに、納税資金などの面からみてもその方が資金繰りが楽ですよね。
 そんな難しいことはさておいて、六本木ヒルズすらまだ行ったことのない私、誰か私をヒルズに連れてってぇ〜!

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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[東京新名所あれやこれや]
   近頃話題の表参道に限らず、ここ数年、汐留・六本木・丸の内・品川・秋葉原・・・と、東京に次々新名所が登場しています。ブランドショップや美術館やましてや「萌〜」にまったく興味のない私はどこにもほとんど足を踏み入れたことがないのですが、電車から見える風景は、何処も美しい街並み・芸術的な建造物です。バブルが崩壊して以来、日本経済は不況続きと思っていたのに、いつの間にこんなに贅沢な都市計画が実行されていたのだろうと不思議に感じます。
 本当に、東京には新しく美しいビルが溢れています。ヨーロッパに旅すると、ビジネス街も高級ホテルもブティックも、昔の煉瓦造りの建物をそのまま使用していることに驚かされます。建物の屋上には、昔の「煙突税」の名残の煙突が突き出ていたり、道路は馬車の時代の石畳のままだったり。地震の多い日本と違って、建物そのものの寿命が長いこともあり、個人の住宅もリフォームを重ねて住み続けるのが常識のようです。20〜30年で住宅の建て替えを考える日本とは随分違うなあと感じました。
 ただ、建物がどんなに新しくても、周りの環境との一体観に欠けてしまっては美しさを発揮することができません。表参道ヒルズは銀杏並木を超える高さにしないことで環境との調和をはかったのだそうです。もう一つ、景観に関して近頃議論されていることに、「日本橋」問題があります。お江戸日本橋が首都高速に隠れてしまっている現状を憂いた小泉首相の大号令で、「日本橋青空計画」が進んでいるとか。日本橋の上を覆っている首都高速を地下に潜らせようとか、ビルの中を通そうとか、意見は様々。首都高の移転は費用がかかりすぎるから、日本橋そのものを移転した方が良いと石原都知事も発言したりと、何やら賑やかです。
 もともと首都高を計画した当時に、環境との調和という考え方を当時の役人や政治家や建築家が共有していたら日本橋が覆われる事態など起きなかったはずです。今だって表参道ヒルズがオープンし、日本橋の景観が論じられているその一方で、まだまだお粗末なモラルの建築業者がはびこっていて、構造設計の違反で建てたばかりのマンションを取り壊さなければならないような事件も発生しています。やはり「もったいない」という昔の人達の感覚を取り戻さなければいけないと感じる今日この頃です。

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 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
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[問題]
 私は華道の師範として教室を持っている個人事業者です。生徒の中に親子で教室に通ってきてくれている方がいて、3人分まとめて授業料を納めて下さいます。合計で45,000円。この場合領収証に収入印紙を貼らなければなりませんか?
@あなたは貼付の必要ありません
A事業の一環ですから、もちろん貼付してください

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□ 
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[問題]
配偶者の所得が38万円以下の場合は所得税の配偶者控除を受けられますが、次のうち配偶者控除を受けられるのはどのケースでしょうか?
@配偶者(青色申告者)には不動産所得が100万円あったが、前年から繰り越された100万円の不動産所得の損失を差し引くと所得がゼロになった。
A配偶者には不動産所得が50万円あったが、基礎控除と医療費控除を合わせて50万円になったので差し引きの所得がゼロになった。
B配偶者には絵画(3年前に250万円で購入)の売却収入が200万円あった。

[正解]B
配偶者控除の適用の有無を判定する場合、配偶者の所得は損失の繰越控除や所得控除を差し引く前の金額で考えます。そうすると@Aのケースは所得が38万円を超えるので適用無しです。Bのケースは譲渡所得がマイナス50万円なので適用有りとなります。

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☆今週号の編集責任者は 須田雅代 & 高橋英江 でした。
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