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□□今週の一言□□
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お早うございます。10月ももう終わりですが、今月は暖かい日が多かったように感じます。私(小峰)は10月に入ってからも、しばらく夏物を着ていました(薄着をして若ぶっていたわけではありません)。温暖化のせいで年々「衣替え」の季節がずれていくかもしれませんね。夏物をクリーニングに出さねば・・・・・
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□□税務豆知識□□
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<代償分割>
遺産相続とは実に悩ましいもので、相続人が一人であれば話は別ですが大勢相続人がいるとなるとなかなか話がまとまらないことが多いようです。今回はこの遺産を分ける方法の一つである、代償分割についてご紹介します。
代償分割とは簡単に言って、分けることが難しい土地などの財産を一人の相続人が取得する代わりに、その相続人が他の相続人に対して金銭などを渡す、というものです。では相続税の計算はどうなるでしょうか。例えば、子Aが1億円の土地を取得し、代償として子Bと子Cに2,000万円ずつ金銭を支払うとすると、子Aの取得財産は1億円−2,000万円×2=6,000万円、子Bと子Cの取得財産はそれぞれ2,000万円、というように計算します。
代償財産を金銭の代わりに不動産とすることも可能ですが、所得税の負担が発生することになるので要注意です。先程のケースで、代償の金銭2,000万円の代わりに時価2,000万円(相続税評価額1,600万円、取得価格1,000万円)の土地をもって支払うとすると、子Aは代償として支払った土地を時価相当額で譲渡したものとみなされて譲渡所得税がかかってしまいます(時価2,000万円×2−取得価格1,000万円×2=2,000万円が課税の対象)。相続税に関しては、子Aは1億円−1,600万円×2=6,800万円を取得、子Bと子Cはそれぞれ1,600万円を取得、という計算になります。
このほか、換価分割といって相続財産を売却してしまいその代金を相続人間で分ける、という方法もありますが、代金を取得した相続人全員が譲渡所得税の申告が必要になり、少々手間と費用がかかることになります。
こうしてみると、金銭による代償分割がいちばんシンプルに感じられます。相続財産が自宅の土地だけ、という場合や同族会社の株といったような分割しづらい財産を相続する際には今回ご紹介した方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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□□あれやこれや一口コラム□□
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[相続税あれやこれや]
また税金の話!って言わずに少しだけ。生涯かけて貯めた財産は、貯める段階で既に所得税を課税されているのに、それを次世代に譲り渡すときにまた相続税がかかるなんて、なんか変!って思う人は多いはず。しかも最高税率50%、これなら貧富の差も解消されるかと思いきや、最近の日本は経済の二極化が進むばかりで、相続税はその意味であまり貢献していないようです。そもそも日本に相続税が創設されたのは、100年以上も前、日露戦争の際にその戦費調達が目的だったとか。現在では中小企業の事業承継問題など、相続税が経済活性化を阻害しているという批判も多く、廃止を含めた根本的な改革が求められています。
世界的にも、スイス・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・イタリアなどすでに相続税を廃止している国が多く、アメリカでも2010年の撤廃が決定しています。そういえば、先日オーストラリアのパースに旅行したのですが、町中を流れるスワンリバーの岸辺に並ぶクルーザー付きの豪邸、さすがに代々お金持ちの家は違うという感じです。日本の相続税があまりに高いので、相続税のかからない国に資産を移しているお金持ちも多いとか。
さてそこで次のクエスチョンです。
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□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
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[問題]
日本人であるAさんは仕事の都合で7年程前からイギリスに暮らしています。先日Aさんの父親(東京在住)が亡くなり、Aさんは遺産相続により父親が暮らしていた東京の土地とイギリスに本社がある会社の株式を取得しました。さてこの場合、どの財産に日本の相続税が課されるでしょうか?
@東京の土地のみ
A東京の土地とイギリスの株式
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□□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
個人事業主A設計は、5月末で個人事業を廃業し、6月より法人成りすることになりました。このA設計は個人事業主の間、源泉所得税の納期の特例を選択していたのですが、1月から5月までに給与から天引きした源泉所得税の納期限は次のうちどれでしょうか?
@6月10日
A7月10日
B8月10日
[正解]A
源泉所得税の納期の特例は、廃業した場合であっても有効ですので7月10日が納期限となります。
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