─────────────────────────────────
□□今週の一言□□
─────────────────────────────────
今年最後のメールマガジンとなりました。本年もご愛読ありがとうございました。世間ではノロウィルスが流行しているようですが、皆さまお体にお気をつけて、よいお年をお迎え下さい。
─────────────────────────────────
□□税務豆知識□□
─────────────────────────────────
<減価償却制度の改正点>
先日、2007年度与党税制改正大綱が発表されました。その中で、減価償却制度の改正点について取り上げます。
減価償却制度というのは、会社や個人が資産を購入した場合、その資産の取得額をいちどに購入した年度の費用とはせず、将来何年かに渡って少しずつ費用にしていこう、とする制度です。具体的には、100万円の資産を購入した場合、10%の「残存価額」を残し、残り90万円を法定耐用年数(資産の種類ごとに法律で定められている償却年数)に渡って定率法か定額法のどちらかの方法で償却していくという決まりになっています。定率法と定額法、どちらの方法を採ったとしても、法定耐用年数を経過すると、10%の残存価額が残っている計算になります。ただし、償却可能限度額が95%と決められているため、法定耐用年数を過ぎた後、さらに5%は償却することが出来ます。ややこしいですね。つまり先の例でいうと、あらかじめ90万円残るような算式で毎年の償却限度額は定められていますが、最終的には帳簿価額が5万円になるまで減価償却費を計上できる決まりになっているのです。そして償却できずに残った5%の残存価額は、その資産が廃棄されたり売却されたりしてなくなるまで、帳簿に残っていることになります。
2007年度税制改正大綱では、2007年4月1日以降に取得する減価償却資産について償却可能限度額95%を廃止し、帳簿の額が1円まで償却できるようにする、という内容になっています。例えば、期首に200万円のパソコンサーバーを買って、定率法により法定耐用年数5年で償却する場合、現行の計算方法では、200万円X償却率0.369=738,000円が1年間(12ヶ月)の償却限度額になります。しかし、税制改正大綱のとおり改正されたとすれば、200万円X償却率0.5=100万円まで償却できることととなり、課税所得が26万2千円減ることになります。これは先に説明した「10%の残存価額」を残さない計算になるため、毎年の償却額が増え、課税所得が減り、結果として減税効果があるというわけです。
一方、2007年3月31日までに取得した資産については、現行の方法により償却可能限度額95%まで償却し、その償却し終わった事業年度の翌年以降、5年間で残りを均等償却できる、ということです。200万円のパソコンサーバーを既に今年の4月に購入していた3月決算の会社のであれば、定率法で計算した結果、7年後の決算でようやく償却限度額95%の10万円まで償却したことになるため、8年後の決算以後5年間で残った10万円を均等償却・・・なんとも気の長い話です。全部償却する以前に、サーバーを交換する必要がありますよね。
この改正案、企業にとっては減税効果が多少はあるといえますが、与党の言うところの「諸外国との国際競争を勝ち抜いていけるよう成長力を高め、その果実が国民各層に広がるよう配慮する」結果を生むかどうか疑問が残る部分はあります。そんな来年の減税策の方針ですが、正式な改正が発表されましたらまた詳しい点など個別にご相談をお受けしたいと思います
─────────────────────────────────
□□あれやこれや一口コラム□□
─────────────────────────────────
[冬の訪れあれやこれや]
都会では季節の移ろいを感じることが少なくなりましたが、事務所のある三鷹駅前にはりっぱな銀杏並木が続いていて、毎年紅葉を楽しむことができます。夏の間はそれが銀杏でもポプラでもまったく意識していないのに、木枯らしが吹いた翌日突然世界が黄色く色づいて、毎年のことながら銀杏効果に驚かされます。春の桜並木の優しさと違い、青々とした新緑の初々しさとも違う、銀杏の黄色はくぐもった明るさとでもいうのでしょうか。突然黄色く色づいた葉っぱは、またあっという間に舞い落ちて歩道を埋め尽くし車道を舞い上がり、枝に残る僅かな葉っぱが冬の訪れを感じさせます。
紅葉が終わって、世の中がモノトーンの世界になってしまった頃、ひときわ鮮やかに目を引くのが「千両」「万両」の赤い実です。子どもの頃、庭にあった万両の赤い実を取っておままごとをしたのを覚えていますが、今にして思えば貴重な彩りだったのですね。木がやや大きめで実が上向きについているのが「千両」、足下にひっそりと丸く固まるように生えて実も下向きに房となってたれているのが「万両」です。食べ物が少ない冬の時期、鳥にとってもこの赤い実は大切な食料なので、目につくように実がつく千両は早々と鳥に食べられてしまうこともあります。冬の彩りと豪華な名前のおかげか千両や万両はお正月の飾り物としても使われ、これから年末にかけてお花屋さんの店先に並びます。
携帯電話の画面を見ながら歩かずに、少し視線を上げであたりを見回せば、まだまだ自然のあれこれを見つけることができるのだと、庭先の「千両」が教えてくれました。
─────────────────────────────────
□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
─────────────────────────────────
[問題]
サービス業を営む当社は9月決算で11月末までに確定申告書を提出しましたが、12月になって9月分の売上金額が入力ミスにより過少になっていることに気づきました。直ちに正しい売上金額により修正申告書を提出し、合わせて納税も済ませました。この場合、過少申告加算税は何%で課税されますか?
@15%
A10%
B課税されない
─────────────────────────────────
□□先週の税金クイズの解答発表!□□
─────────────────────────────────
[問題]
法人税の確定申告には、会計監査を受ける会社が通常の申告期限(決算から2ヶ月以内)に間に合わないことを考慮した申告期限の延長の特例(1ヶ月延長)という制度があります。
さて、消費税についても同様に申告期限の延長の制度があるでしょうか?
@ある
Aない
[正解]A
消費税には申告期限の延長という制度はありませんので、消費税の申告後に会計監査により税額が変動したような場合には、更正の請求又は修正申告をすることになります。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 須田雅代 & 高橋英江 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
http://www.suda.gr.jpです。
☆本メールに関するご意見・ご要望を是非お寄せ下さい。アドレスは
mail@suda.gr.jpです。
☆アドレスの変更や配信中止についても上記のアドレスまでご一報お願いします。
☆本メールに返信されましても対応できませんので、ご了承下さい。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲