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須田会計事務所メールマガジン 000227 2007.03.12発行
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□□今週の一言□□
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おはようございます。確定申告、確定申告と耳にタコができるほど騒いで参りましたが、いよいよ今週木曜日までです。今週はどこの税務署も人、人、人で大騒ぎですよ〜。会計事務所ももちろん大忙しです。だってねぇ、この時期にヒマな事務所じゃねぇ、正月に参拝客が来ない神社みたいなものですからねぇ…。というわけで、今週こそ張り切って参りましょー!
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□□税務豆知識□□
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[改正税法の施行時期]
今回の確定申告で、お客様に申告内容のご説明をすると「え?定率減税って廃止になったんじゃないの?」と驚かれる方が多くいらっしゃいました。それもそのはず、税金の時期に合わせるかのように「定率減税廃止」のニュースがテレビに流れ、庶民いじめだ!とマスコミが大騒ぎしていたからです。
しかし現実には、定率減税が廃止になるのは平成19年分から。半減されたとはいえ、今回の申告では最大125,000円の定率減税が控除できたのです。このように税法には改正がつきものであり、その施行時期についてのアナウンスが今ひとつはっきりしないことが多いので、注意が必要です。
我々専門家でさえ、改正法の施行時期についてヒヤッとする場面が少なくありません。なぜなら目の前の仕事は過ぎ去りし過去の法律を適用し、未来のことを考える新年度の予算編成などの場面ではできたばかりの改正法で対応しなければならず、グチを言っても仕方ありませんが、その区別が容易ではないからです。皆さまも、ご自分に影響のある税制改正のニュースが出たら、その適用時期がいつからであるのか、早とちりしないようによ〜く確認してくださいね。
ちなみに、間もなく施行される平成19年度の税制改正の「目玉商品」は減価償却における「残存価額の廃止」です。すなわち従来は取得価額の10%を残存価額としてきたものを今後は1円まで償却できるようになるという改正ですが、その適用は「平成19年4月1日以降に取得する資産」から行うこととされています。つまり今まで持っていたものは今までの償却を継続していくということで、当分は新しい制度と古い制度を共存させなければならず、こりゃ減価償却のパソコンソフトでも使わなければとても大変なことになりそうですね。
(注)本年3月31日までに取得した資産については、95%まで償却したあと、残りの金額を5年間で均等償却できることになるようです。
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□□あれやこれや一口コラム□□
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<戸籍難民>
戸籍難民なんて、一人っ子政策を行っていた中国の話かと思いきや、現代の日本にもあるという驚きの事実。
何でも、民法772条2項に離婚後300日以内に出産した子どもを前夫の子と推定する旨の規定があり、出生届を提出すると戸籍上も前夫の子となり、現在の夫との間の子としては(それが実の父親だったとしても)受理されないために発生しています。DNA鑑定で、親子関係の特定が可能になった現代に、時代錯誤も甚だしい気がします。
長い別居生活を経て、晴れて離婚が成立し、新しい夫との間に子どもも生まれ、前途洋々、幸せな日々を送る筈が、こんな落とし穴があったとは。。。
戸籍がないと、行政サービスを受けることができません。市区町村によっては、子どもの住民票を作成し、乳児検診や国民健康保健などの行政サービスを受けられるようにはしていますが、この場合、女性の子ではあっても、現在の夫の子にはならず、しかも本籍、筆頭者は不詳で、緊急避難措置としての役割しか果たしません。
では、生まれた子を、女性の子として戸籍を作成できないのでしょうか。シングルマザーもいますし。そして、今の夫に認知してもらう、ないし養子縁組すればいいのでは?ですが、それも、離婚後300日以内の出産である以上、その女性が再婚しているしていないにかかわらず、自動的に前夫の子として戸籍が作成され、母親の戸籍に入れることもできません。まさに八方ふさがり。
ならば、いっそのこと、前夫の子として出生届を提出し、その後現在の夫と特別養子縁組(戸籍上も実親との関係を断ち切り、実子として縁組みすること)するのはどうでしょう。しかし、なかなか事は容易にすすみません。これには、実父(この場合、前夫)母の同意が必要ですし、原則として離縁は認められず、手続きも煩雑です。
となると、最終手段は、やはり裁判(特別養子縁組も裁判によります)です。形式としては、前夫から嫡出否認の訴えを起こしてもらう(出生届提出後)か、前夫を相手に、裁判所に親子関係不存在確認の訴えを起こす(出生届提出前)という二つの方法があるそうですが、いずれの場合も、前夫の協力が不可欠なものとなります。母親にしてみれば、今更前夫に会いたくも頼みたくもないでしょうし、前夫にしてみれば、そんな誰の子か分からない子のために、協力も何もあったものか、という感じでしょう。そこがこの裁判の難しいところですが、前夫の子として戸籍が作成されると、その子に前夫に対する相続権が発生しますので、嫡出否認の訴えに関しては積極的に起こした方がいいような気がします。ですから、後者の訴えは、事実上の父、母、子自身の他、子との間で相続上対立する親族なども起こせるそうです。
子どものためを思うなら、法律がこうなっている以上、戸籍難民になるような子をもうけないにこしたことはないし、実際にそういう子どもがいる以上、法律にも柔軟に対応して欲しいと思う次第です。生まれてきた子どもに罪はないし、子どもは親を選べないですから。
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□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
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[問題]
安部さんは個人で飲食店を経営し青色申告をしていますが、平成18年は業績が悪く、1,000万円の赤字を出してしまいました。そこでこの赤字を埋めるため、親から相続したまま空き地になっていた土地を売却し、1,000万円の利益を得ることが出来ました。さて安部さんの今回の確定申告はどのようになるでしょうか。
@1,000万円の黒字と赤字を相殺して、利益はゼロ。だから納税もなし!
A1,000万円の赤字はなかったものとみなされ、土地の売却益に税金がかかるだけ
B相殺はできず、土地の売却益にはバッチリ税金がかかる。ただし1,000万円の赤字は来年に繰り越すことができる
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□□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
樺テ久井に勤務している相模さんはこのたび宇都宮にマイホームを買い、念願の田舎暮らしを始めました。そのため、自宅から会社のある千代田区までは新幹線での通勤になります。新幹線通勤の場合の通勤手当は、在来線と同じように所得税は非課税となるのでしょうか(東京−宇都宮間の一ヶ月の定期代は99,210円で、相模さんの通勤費はこれのみとします)。
@新幹線は贅沢だ!通勤手当は給料とみなされ所得税が源泉徴収される
Aもちろん!一ヶ月10万円までの通勤手当は非課税となる
[正解]A
新幹線の定期代であっても合理的な運賃の額とされ、所得税は非課税となります。
ただし、一ヶ月10万円を超える定期代はその超える部分について、給与とみなされ源泉徴収されます。
また、グリーン車に乗った場合には、グリーン料金は合理的な運賃の額とはされないので10万円に関係なく源泉徴収の対象になります。
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