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□□今週の一言□□
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お早うございます。街路のあちこちにアジサイの花が咲き競う季節になりました。アジサイの花ってほんとにきれいですよね。でも花言葉では「あなたは冷たい人」を意味するそうで、アジサイを贈るのはお断りの気持ちを伝えるためなんですって(http://hanahana.livedoor.biz/archives/54334797.html)!?知ってました?世間知らずの私は過去に何回もこの花をプレゼントしたことがありました。でも相手も知らなそうだし、ま、いっか…
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□□税務豆知識□□
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少しややこしい話ですが、今回は「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」という書類についてお話ししたいと思います。
たとえばお父さんが、何十年も前に地主さんから土地を借りて住宅を建て、そこに家族みんなが住み続けてきたとしましょう。そして今回、その地主さんからこの土地を買ってくれないか、と突然の申し出を受けたとします。地主さんにも何か資金的な事情があるのかもしれません。時々耳にする話ですね。
ところがお父さんはもう高齢で今さら土地を買うお金はない。そこで一緒に住んでいる息子が父に代わってこの話を引き受けるとします。美談です。しかしここに恐ろしいほど高額の税金がかかってくる危険が潜んでいるのです。
この事例では、父親は「建物」と「借地権」という不動産を所有していることになります。建物は、それが登記されているなら登記簿にちゃんと父親の名前が登録されていますので、すぐに確認できます。ところが借地権というのは、平たく言えばそこに住み続けてきたという権利であり、立ち退くときには立退料をもらえる権利であり、きわめて抽象的な財産です。土地の登記簿を取ってみても、そこには地主さんの名前が載っているだけで、お父さんの名前はどこにも書いてありません。借地契約書だけが唯一の証拠ということになります。
このような状況で地主から息子が土地を買い取った場合、土地の名義には息子の名前が載りますが、その後も息子が父親から地代を取り続けるという話はあまり聞いたことがありません。まして父親がそこを立ち退くときに、息子に「立退料をよこせ」ということもないでしょう。だって家族なんですから。ということは、息子がその土地を買い取った時点で、父親の「借地権」という財産はどこかに消えてしまうことになるわけです。それではその消えた借地権はどこに行ったのか?それはバッチリ息子のものになったのですね。なぜなら息子は、地主から更地ではなく底地(他人の建物が建っている土地)を買い取ったのですから、当然にその買い取り価格は相場よりも安いはずで、しかも建物の所有者は父親であって、仮に父親がそこを出ていくとしても立退料など払わなくていいからです。このため、このような場合には借地権相当額の財産が、父親から息子に贈与されたものとして、息子に贈与税がかかってしまうのです。こりゃ大変だ…。
そこでそのようなべらぼうな税金を払わずに済ませるために、底地を息子が買っても借地権は父親が所有し続けている、すなわち息子は贈与を受けていない、ということを主張する方法があります。それが冒頭の「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を税務署に提出するという手続で、これさえ出しておけば息子に贈与税が課税されることはありません。ただし父親が亡くなったときには、借地権は「俺のものだ」と主張したのですから、その評価額が父親の相続財産にカウントされるのは言うまでもありませんが。
うーん、税金ってほんとに上手くできてますよね。それにしてもちょっと複雑なお話だったかな…
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□□あれやこれや一口コラム□□
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[水無月あれやこれや]
毎月訪問する顧問先の応接間に大相撲カレンダーがかけられています。大相撲に興味はないのですが、そこに日本的な月の呼び名が書かれていて、目にとまりました。「睦月・如月・弥生・卯月・・・・・師走」、実に季節感のある美しい響きの月名です。中学生の頃に覚えたなあと、調子を付けてムツキキサラギヤヨイウヅキサツキミナヅキ・・・と心の中で唱えてみたのですが、その次がハタと出てこなくなってしまいました。記憶が曖昧になってしまったことにがっかりしながら、どうにも気になって気になって、思わず一人になった間に失礼してカレンダーをめくってみました。ミナヅキフミツキハヅキナガツキカンナヅキシモツキシワス、あ〜すっきりしました。
ところでこの日本古来の月名ですが、旧暦に基づいているので現在の季節とは大体1ヶ月ずれています。それぞれの呼び名に季節に符合した意味があり、調べてみたところ諸説ありましたが、概ね次のような定説です。
1.睦月むつき・・・お正月に一族や知り合いが睦まじく集まるという意味。
2.如月きさらぎ・・・衣更着の転字でまだ冬の寒さが残り衣を更に重ねて着るの意。
3.弥生やよい・・・草木がいよいよ生い茂るという意味。
4.卯月うづき・・・卯の花の咲く季節という意味。
5.皐月さつき・・・文字はサツキツツジだが本来は早苗の月つまり田植えの季節の意味。
6.水無月みなづき・・・もとの字は水之月で、田に水がある月の意味。
7.文月ふみつき・・・穂含月が転じ、稲穂がふくらむという意味。
8.葉月はづき・・・稲穂がますます盛んに出る月、もしくは葉落ち月の意味とも。
9.長月ながつき・・・夜長月ともいい、イネが成熟期に入るという意味。
10.神無月かんなづき・・・新穀を神に捧げる神嘗月(かんなめづき)の意、または神が天に去る月とも言われる。
11.霜月しもつき・・・霜が降り始める季節の意味。
12.師走しわす・・・極月の文字で、一年の万事の終わりという意味、俗には師が走るほど忙しい月とも言う。
6月中旬の今の時期は、昔でいうところの「皐月」から「水無月」にかけての時期に当たります。田植えが終わり、水を張った田んぼが広がる田舎の光景が浮かんできますね。大分風情は変わりますが、都会の真ん中、六本木ヒルズの屋上でも水田が見られることでしょう。
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□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
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[問題]
滝口商事株式会社では、平成19年5月分の従業員の給与から天引きした源泉所得税を同年6月10日までに税務署に納めるべきところ、経理担当者が病気入院していたため、6月15日になってその納付漏れに気づき、同日、慌てて納税しました。この場合、罰金(不納付加算税)はどのようにかかるでしょうか。
@源泉所得税は毎月10日までに必ず納めるべきものであり、1日でも遅れると必ず不納付加算税がかかる
A誰にでも間違いはあるし、すぐに納めたのだから、税務署に電話して謝れば不納付加算税はかからない
B会社によって不納付加算税がかかるケースとかからないケースがある
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□□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
渇焜哩Y商事(3月決算)は3月29日に5万円のデジタルカメラを購入しました。しかし、実際に使用を開始したのは翌期4月になってからでした。渇焜哩Y商事の今期の処理として正しいものは次のうちどれでしょう(減価償却資産で取得価額が10万円未満であるもの、又は使用可能期間が1年未満であるものは、その事業年度の損金の額に算入することができます)。
@10万円未満なので、すべて損金になる
A貯蔵品として資産に計上する
[正解]A
法人が事業の用に供した減価償却資産で取得価額が10万円未満であるもの、又は使用可能期間が1年未満であるものは、損金経理を要件にその事業年度の損金の額に算入することができます。ただし、事業の用に供していないものは損金に算入することができません。貯蔵品等の資産に計上する必要があります。
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