◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
  須田会計事務所メールマガジン      000256   2007.10.01発行
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

─────────────────────────────────
 □□今週の一言□□
─────────────────────────────────
 おはようございます。今日から日本郵政公社が本格的に民営化することは皆さんご存知だと思いますが、これにより税務申告で注意しなければならないことが一つあります。従来は申告期限ギリギリにエクスパックなどの郵便小包で申告書を提出しても、発送日の印が期限内であれば、期限内申告として取り扱われていましたが、民営化に伴う郵便法改正により小包は郵便物として取り扱わないこととなりましたので、上記の場合ですとエクスパックが税務署に届いた日付が、申告書の提出日となりますので期限後申告になってしまいます。ですから今後は期限ギリギリに申告書を送付する場合(できれば早めに申告がいいのですが・・・)には通常の郵便、又は信書便として送付するようにしてくださいね。

─────────────────────────────────
 □□税務豆知識□□
─────────────────────────────────
<未収年金と未支給年金>
 相続税は亡くなられた方の死亡時点の財産をもとに計算するのですが、この財産には不動産や預貯金は当然のことながら、年金受給者が亡くなられた場合には死亡日後に口座へ振り込まれた年金も未収年金として相続財産に含めます。
 この『未収年金』とは、年金受給者が亡くなったときに、遺族が社会保険事務所(一定の場合には区市町村)へ提出する死亡届の提出日が、年金支給日より後になってしまったことにより生ずるもので、死亡時点では未収(まだ口座に振り込まれていない)ですが、その後にお金をもらえる権利として相続財産に含めるのです。
 これによく似たもので『未支給年金』というものがあります。これも死亡時点で年金が支給されていないという点では未収年金と同じですが、死亡日後も受け取るべき年金が支給されていないという点で大きく異なります。
 年金は偶数月に前々月と前月の2か月分が支払われ、年金受給者の死亡した月まで支払われます。例えば12月に死亡した場合には、翌年2月に12月分の年金が支払われることになるのですが、遺族が死亡届を提出すると年金支給は停止するため12月分は振り込まれません。
 この12月分の年金は一定の遺族が請求をしてはじめて支給されるものであるため、遺族固有の財産として考え亡くなられた方の相続財産には含めません。この場合遺族が請求して支給を受けた年金は、一時所得として所得税の計算をすることになります。
 これまでも未支給年金を相続財産として申告されていたケースは数多くあるようですが、あくまでも相続財産となるのは『未収年金』だけですので、ご自分で相続税の申告をされる方はご注意ください。

─────────────────────────────────
 □□あれやこれや一口コラム□□
─────────────────────────────────
<時効>
 「事件が時効を迎えた」とか「あの件はもう時効ということで勘弁して・・・」等々、時効という言葉は日常生活の中でもけっこうなじみ深いものです。様々な場面で登場する時効ですが、もちろん税金の世界にもこの時効が非常に深く関わっています。
 時効が関わるものとして例を挙げると、医療費控除を受けて所得税の還付を受けるような場合です。還付を受けるための申告をするということは、言い換えれば還付金を請求する権利を行使する、ということになります。この権利はいつでも行使できるわけではなく、国税通則法で「・・・請求権は、その請求をすることができる日から5年間行使しないことによって、時効により消滅する」と規定しているように、5年以内でなければならないことになっています。具体的には、平成19年分の所得税について還付申告をする場合、「請求をすることができる日」は平成20年1月1日なのでそれから5年以内、つまり平成24年12月31日までに申告をしないとその権利が失われてしまうことになります。
 税金の還付請求権は5年で消滅しますが、逆に国が納税者から税金を徴収する権利は何年で消滅するのでしょうか? 答えは還付請求権と同じ5年です。同じ年数でないと不平等なので当然のことかもしれませんが、これには例外があります。納税者がいわゆる脱税をして、納めるべき税金を納めていなかった場合は、これは5年でなく7年となります。つまり、脱税した税金については国が最大7年前までさかのぼって徴収できるということです。10年、15年という年数でないのは、そこまでさかのぼっても証拠資料がなくなってしまう等、調査が困難になってしまうからでしょうか。
 物や権利に関しては時効があるけれど、忘れてしまいたいことを「時効」として消滅させることができないのが人生のつらいところです・・・。

─────────────────────────────────
 □□今週の税金クイズ□□  正解は次回発表しますねー。
─────────────────────────────────
[問題]
 鈴木さんは沖縄の大学に入学した息子に、学費や生活費として月15万円の計算で4年分720万円をまとめて仕送りしました。この場合に息子は贈与税の申告をしなければならないでしょうか。
@申告しなければならない
A申告しなくてよい

─────────────────────────────────
 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
─────────────────────────────────
[問題]
 共稼ぎの長谷川さん夫妻は、この度念願のマイホームを手に入れました。購入した物件は、土地が夫の単独名義で3,000万円、建物は妻の単独名義で2,000万円です。購入資金はすべて銀行借入金に頼ることとし、夫婦それぞれが返済期間20年の住宅ローンを組みました。長谷川さん夫妻は、確定申告で税金が戻ってくるのを楽しみにしていますが、住宅ローン控除の適用に関して正しいのは次のうちどれでしょうか。
@夫だけがローン控除を受けられる
A妻だけがローン控除を受けられる
B夫婦ともにローン控除を受けられる

[正解]A
 住宅ローン控除は、建物の取得、または建物の取得とともにする土地の取得にかかる借入金について適用があります。したがって建物を購入した妻はローン控除を受けられますが、土地のみを取得し建物を同時に取得していない夫は、その適用を受けることができません。したがって設例のような場合には、土地と建物を夫婦それぞれが共有で取得するのが有利です。 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 中原敬和 & 小峰崇志 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
 http://www.suda.gr.jpです。
☆本メールに関するご意見・ご要望を是非お寄せ下さい。アドレスは
 mail@suda.gr.jpです。
☆アドレスの変更や配信中止についても上記のアドレスまでご一報お願いします。
☆本メールに返信されましても対応できませんので、ご了承下さい。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲