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□□今週の一言□□
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おはようございます。先週に新年会があったという方も多かったのではないでしょうか。私(杉山)も先週は何件か新年会があり、完全に胃を壊してしまいました。初詣で健康を祈願したはずだったのですが・・・。
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□□税務豆知識□□
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<平成21年度税制改正大綱〜中小企業減税〜>
今回の税務豆知識は、前回に引続き昨年12月12日に発表された税制改正大綱についてのお話ですが、その中でも特に中小企業減税についてご紹介したいと思います。
平成21年度税制改正大綱における中小企業減税の目玉はなんと言っても、「中小法人に対する軽減税率の引下げ」と平成4年度から停止されていた「欠損金の繰戻還付制度の復活」です。中小企業減税は適用要件や内容が分かりにくかったり、一部の中小企業しか対象にならなかったりすることが多いのですが、今回の中小企業減税は内容も極めてシンプルで、かつ、多くの中小企業が減税効果を享受できるものとなっており、中小企業にとって非常に有効なものと言えます。
まず、「中小法人に対する軽減税率の引下げ」についてですが、中小法人は従来からその事業年度の所得のうち800万円以下については原則税率の30%ではなく軽減税率の22%が適用されていたわけですが、改正によりこの軽減税率の22%がさらに18%に引き下げられるというものです。例えば、その事業年度の所得が800万円であった場合、従来は法人税額が176万円(800万円×22%)であったものが、144万円(800万円×18%)となり32万円減額されることになります。
次に、「欠損金の繰戻還付制度の復活」についてですが、欠損金の繰戻還付制度とは、欠損金が生じたとき、その欠損金を前事業年度の所得に繰戻して、既に納付済みの法人税額の還付を請求することができるという制度です。還付請求ができる金額の算式は、次の通りです。
前事業年度の法人税額×(当事業年度の欠損金額÷前事業年度の所得金額)
例えば、前事業年度の所得が800万円(法人税額が176万円)で、当事業年度に欠損金が500万円生じた場合、還付請求できる法人税額は、176万円×(500万円÷800万円)=110万円となり、110万円の法人税額を還付請求することができます。この欠損金の繰戻還付制度は平成4年度から停止されていたため、ここ数年は欠損金が生じた場合にはその欠損金を翌年度以降7年間にわたり所得金額から繰越控除する欠損金の繰越控除制度しか選択の余地がありませんでした。
通常であれば、改正大綱は年明けの国会で承認され、そのまま採用されるのですが、現在のような政局下では、この改正案が改廃される可能性もありますので、今後の国会の動向に注目です。
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□□あれやこれや一口コラム□□
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[年頭目標あれやこれや]
新春を迎え、「今年は・・・!」と新たな志を掲げた人も、「今年こそ!」とリベンジを誓った人も、早いですね〜もう2週間近くが過ぎようとしています。皆様の目標は着実に進んでいますか?私はといえば、今年は読書でもしようかなと年末に何冊か本を買い込んだのですが、やっぱりまだ半分も読めていない状況です。
その中の1冊、「星の王子さま」。小学生の頃、この本を父が買ってきてくれた時、内容もさることながら、その本のきれいな装幀と不思議な絵に心を奪われたものです。真っ白な表紙に描かれた、金髪ツンツン頭の王子さま、マントを羽織りブーツを履いたかわいらしい姿が脳裏に焼き付いていて、年末のごった返す本屋さんで、その王子さまを見つけ、思わず足を止めました。「大切なものは、目に見えない」、子供の頃に見えたものが大人になると見えなくなってしまう、そんな話を今の私がどう感じるのかと、今更ですがもう一度読んでみることにしました。
童話とはいえ結構重いテーマで、読んでは戻りまた戻りしてまだ途中までしか進んでいませんが、物語の中で心に響く言葉の数々に触れながら、我が身を振り返って反省したり、やさしく切ない気持ちになったりと、心が豊かになるような気がします。やっぱり読書は良いですね。老眼が進んで眼鏡を手放せなくなってからというもの、仕事以外ではすっかり活字から遠のいていましたが、今年はのんびり焦らず読書して、心の柔軟さを鍛えようかなと改めて思っています。
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□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
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[問題]
法人契約で次のような生命保険契約を締結した場合に、課税上の問題が生じないものはどれでしょうか?(定期保険は、保険料の一部について資産計上が要求される長期平準定期保険等には該当しないものとします)
@全ての従業員を被保険者とし、被保険者の遺族を保険金受取人とする終身保険契約
A全ての従業員を被保険者とし、法人を保険金受取人とする終身保険契約
B特定の従業員のみを被保険者とし、被保険者の遺族を保険金受取人とする定期保険契約
C特定の従業員のみを被保険者とし、法人を保険金受取人とする定期保険契約
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□□先週の税金クイズの解答発表!□□
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[問題]
A社とB社はいずれも資本金が1千万円、12月決算の法人で、A社は平成20年が3期目、B社は7期目です。いずれも平成19年度まで利益を出し続け法人税を納めてきましたが、平成20年に業績が急に悪化し、創業以来初の欠損に転じました。そこで、欠損金の繰戻し還付制度を受け、平成19年度に納めた法人税の一部を還付してもらおうと考えています。A社とB社は、いずれもこの制度を受けることができるでしょうか?なお、両社とも創業以来続けて青色申告の適用を受けています。
@A社は受けられるが、B社はできない
AB社は受けられるが、A社はできない
B両方受けられない
[正解]@
現在、中小企業者は、設立の日を含む事業年度の翌事業年度から5年間ならば欠損金の繰り戻し還付を受けることができます(平成21年度には改正が見込まれる)。従って、7期目であるB社は受けることができません。ただし、欠損金の繰戻し還付を申請すると、税務調査がもれなくついてきますからご注意ください。
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☆今週号の編集責任者は 須田雅代 & 杉山圭 でした。
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