─────────────────────────────────
□□今週の一言□□
─────────────────────────────────
おはようございます。いよいよ所得税の確定申告の受付が始まりました。所得税を納めなければならない方はともかく、還付になる方は頑張って早めに提出するようにしましょう。早く提出すればその分戻りも早くなるようです。
ちなみに還付申告であれば、申告の対象年の翌年1月1日から(実際は税務署の正月休み明けから)申告書の提出ができます。先の話になりますが、今年分(平成21年分)の所得税についてとにかく早く還付を受けたい、と思う方は是非来年の正月明けに申告書を提出できるように頑張ってみて下さい。
─────────────────────────────────
□□税務豆知識□□
─────────────────────────────────
<扶養控除・配偶者控除>
所得税の確定申告の受付期間が始まり、今まさに申告書を作成中である方もいらっしゃることと思います。今回は、所得税の各種の所得控除のうちの、扶養控除と配偶者控除についての豆知識です。
給与収入103万円(合計所得金額38万円)以下の親族や配偶者があれば扶養控除等を受けられる、ということはたいていの方はご存じだと思います。しかし、控除の対象になるか否かの判定で迷うケースもあります。以下、そういった判定誤りの起こりそうなケースを挙げてみたいと思います。
@株の配当収入がある場合
親族等に株の配当収入が50万円あったとします。この場合、基本的に所得金額は50万円となり、これが38万円を超えているので扶養控除等は受けられません。しかし、上場株の配当など一定のものについては確定申告不要制度というものがあり、これを選択した場合はその配当の金額は合計所得金額に含まれません。上記のケースで50万円の配当収入について確定申告不要を選択できるとすると、その親族等の合計所得金額はゼロとなり、扶養控除等の適用を受けられます。
A繰越欠損がある場合
親族等に不動産所得が100万円、前年以前から繰り越された欠損金が70万円あるとします。この場合、100万円から70万円を差し引いた金額が38万円以下になるので扶養控除等の対象になるように思えますが、それは誤りです。所得税法上、「合計所得金額」が38万円以下であれば可、ということになっていますが、この「合計所得金額」とは繰り越された欠損金を差し引く前の所得金額を意味しています。そのため、扶養控除等の対象になるか否かの所得の判定は差し引き前の金額(上記の例ですと100万円)で行います。
B民法上の親族関係にない場合など
内縁関係である妻やその妻との間に産まれた子について経済的に扶養している場合であっても、民法上の親族関係がなければ扶養控除等の適用を受けることはできません。また、身内であれば誰でもいいというわけではなく、6親等内の血族と3親等内の姻族という範囲内に限られています。例えば配偶者の従兄弟(4親等の姻族)と同居して扶養しているようなケースでは、上記の範囲外になってしまうので扶養控除の適用はありません(滅多にないケースだとは思いますが)。
確定申告に限らず、会社が行う年末調整でも扶養控除や配偶者控除の誤った適用が時々見受けられます。これらの控除を誤ると税額計算にもそれなりに影響が出るので、控除の対象になるか否かの判定は慎重に行う必要があります。
─────────────────────────────────
□□あれやこれや一口コラム□□
─────────────────────────────────
<最近のはまりもん−湊かなえ−>
本屋で平積みになっている「告白」という本をご存じでしょうか。帯にある「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」という言葉に惹かれ、図書館から借りて読もうと予約を入れると、何と300人待ち。いったい何年待てばいいのか、と(それ以前に「買って読めよ」と突っ込まれそうですが)あきらめていたところ、よく利用している貸本屋さんで見つけたのです。そのときの喜びったらありません。速攻で手に取りました。
小説は、我が子を殺された女性教師の告白から始まり、同級生、犯人、犯人の家族それぞれの視点から事件について語らせるというモノローグ形式で話がすすみ、帯に掲載されていた読者の感想そのままに、私も初めの数行でその世界に引き込まれ、一気に読破してしまいました。
書評にもあるように、とてもデビュー作とは思えません。
すっかりファンになってしまった私は、二作目である「少女」も手に取り、やはりこれも一気読みしてしまったのですが、「告白」にしろ「少女」にしろ、とにかく伏線が秀逸なのです。もう一度読みたくなる(読んで確認したくなる)面白さ。
教師という立場にいながら復讐を一番に考え、自分がこうなったのは全て周りに原因があるという被害者意識丸出しの犯人。視点を変えると善悪が反転するのはよくあるけれど、小説の中に絶対的な「善」が存在しないのも魅力の一つかもしれません。「少女」では二人の女子高生の友情物語的要素も含みつつ、大団円で終わるかと思いきや、でも欲しいもののためには手段を選ばない、今時の高校生っぽい要素もあったりで、いい意味で読者の期待を裏切ってくれます。
もうすぐ冬も終わりに近づき、春分の日、夏至に向け日はどんどん長くなっていきますが(つまり、秋の夜長にとは言えませんが)、時間がありましたら是非お手に取ってみて下さい。とにかくおすすめです。
─────────────────────────────────
□□今週の税金クイズ□□ 正解は次回発表しますねー。
─────────────────────────────────
[問題]
Aさんはタイ人である妻の両親(タイ在住)に、毎月生活費の仕送りをしています。この場合Aさんは、妻の両親を扶養親族として所得税の扶養控除の適用を受けることができるでしょうか。妻の両親にはほとんど収入がなく、それぞれの合計所得金額は38万円以下であるとします。
@できる
Aできない
─────────────────────────────────
□□先週の税金クイズの解答発表!□□
─────────────────────────────────
[問題]
次のうち、所得税の非課税所得に該当するものはどれでしょうか。
@損害保険契約に係る満期返戻金
A遺族基礎年金および遺族厚生年金
Bオープン型証券投資信託の普通分配金
[正解]A
遺族基礎年金および遺族厚生年金が非課税所得に該当します。@の生命保険契約や損害保険契約に係る満期返戻金・解約返戻金は一時所得として課税の対象となります。Bのオープン型証券投資信託の普通分配金は配当所得として課税の対象となります。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 小峰崇志 & 谷村和美 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
http://www.suda.gr.jpです。
☆本メールに関するご意見・ご要望を是非お寄せ下さい。アドレスは
mail@suda.gr.jpです。
☆アドレスの変更や配信中止についても上記のアドレスまでご一報お願いします。
☆本メールに返信されましても対応できませんので、ご了承下さい。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲