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  須田会計事務所メールマガジン      00389   2010.05.31発行
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 □□今週の一言□□
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お早うございます。今日で5月も終わりです。寒かったり暑かったりで体調管理が大変だった1ヵ月でした。健康維持のため、季節に関係なく体を冷やさないようにお茶やコーヒーはできるだけホットで飲んでいます。でもさすがにビールは無理ですね・・・。

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 □□税務豆知識□□
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<個人事業主が亡くなったら>
今回は、個人で事業を営んでいる人が亡くなり、相続人がその事業を引き継いで新たに個人事業者となった場合に必要となる税務関係の手続きについての豆知識です。
真っ先に思いつくのは相続税の申告ですが、今回は所得税と消費税に関する手続きを主にご紹介します。
@所得税
まず、亡くなった人の分の確定申告(準確定申告)をする必要があります。これは相続から4ヵ月以内に行います。
次に、相続人本人についての手続きです。青色申告の承認を受けていた人が亡くなった場合、事業を引き継いだ相続人にその青色申告の承認が自動的に引き継がれるわけではありません。相続人も相続があった年から青色申告の承認を受けようとするときは、以下のケースに応じてそれぞれの期限までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。
(1月1日から8月31日までの間に相続があった場合)・・・相続から4ヵ月以内
(9月1日から10月31日までの間に相続があった場合)・・・その年の12月31日まで
(11月1日から12月31日までの間に相続があった場合)・・・その年の翌年2月15日まで
※亡くなった人が青色申告の承認を受けていなかったときは上記と扱いが異なります。
 これらの期限内に申請書を提出しなかったら、相続人については相続があった年において青色申告の特典(青色申告特別控除など)の適用を受けることができません。そのほか、親族に給料を支給する場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を原則として相続から2ヵ月以内に提出する必要があります。
A消費税
所得税の準確定申告と同様に、相続から4ヵ月以内に亡くなった人の分の消費税の確定申告をする必要があります。
 相続人に関する手続きで重要になるのは、課税事業者の選択または簡易課税制度の選択の届出です。これらの届出については、場合によっては提出の有無により納税額に大きな差が出てしまうことになります。事業を引き継いだ相続人が、相続があった年から課税事業者の選択または簡易課税制度の選択の適用を受けたいのであれば、その年12月31日までにこれらの届出書を提出すればよいことになっています(亡くなった人が課税事業者の選択または簡易課税制度の選択の適用を受けていたことが前提です)。
これらの申請書・届出書は提出の有無が納税額に直接影響し、かつ提出期限も相続税の申告期限(10ヵ月以内)に比べて短いので、注意が必要です。
※上記の所得税・消費税の扱いは、相続人が相続によって新たに個人事業者となったことが前提です。相続人が従来から個人事業者であった場合は扱いが異なります。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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<無縁社会>
「行旅死亡人」という言葉をご存じでしょうか。
現在、「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」といった「無縁死」が年間3万2千件に及ぶそうです(1月31日放送のNHKスペシャルによる)。この「無縁死」の中には、警察や自治体の調査によっても名前すら分からない遺体が千件近くにのぼり、これを指す法律用語が「行旅死亡人」なのです。
孤独に死んだ上に、誰だかすら分からないなんて、かなり究極ですが、中には自宅の居間で死亡していたにもかかわらず、名前不明で、行旅死亡人として取り扱われたケースもあるのだとか。
血縁、地縁、社縁でつながっていたはずの日本社会は、今や立派な「無縁社会」。かろうじて、元気な女性が「女縁(じょえん:上野千鶴子による)」を形成していると言われていますが、今後労働力人口としてカウントされる女性が増加していくことを考えると、先細りも否めないでしょう。
 単身世帯は年を追う毎に増え、同じマンションに住みながら息子が親の死に一ヶ月も気付かなかったという事例があったり、友人・同僚・社会(宗教・スポーツ・文化グループ)・家族との付き合いが、「めったにない」「まったくない」合計で15.27%と諸外国に比べ断トツで希薄な上、国際的にも、日本人は地域活動に積極的ではないそうだし、会社はリストラや非正規社員の増加で変容し、若年層に至っては、携帯のみでつながっている不安定な関係が横行。
 こんな国だったんだ、ニッポンって。。。と嘆いていても始まらないので、自分なりに防御手段を講じないと。とはいえ、結局人間死ぬときは一人だという考えなので、孤独死を恐れない生き方が必要なのではないか、とも思います。
 自分の理想としては、今井美樹の「幸せになりたい」の歌詞にあるような友人関係。離婚した友達に対して、自分の住んでいる場所から歩いてすぐの距離に部屋を決め、寂しい夜にはすぐに行ってあげる、なんて、言う方にも言われる方にもなりたい。あるいは、絲山秋子の「沖で待つ」にあるような、どちらかが先に死んだら、相手のパソコンのハードディスクを壊すという約束をするような関係もいいなぁ。といいつつ、考えてみると、見られて困る物は入ってなかったや。
 もし、今後一人暮らしをする機会があるとしたら、シェアハウスがいいかも。最近は、「結婚するつもりはないけれど、一人暮らしは寂しくてイヤだ」という男性もいたりして、世代・性別を超えて人気なのだとか。
 こんなテーマを選んでおきながら、実は、現在実家とも交流があり、子供はいないけれど旦那もいて、まだまだ死ぬような年齢でもないから、孤独死なんて全然身近じゃない。ましてや葬式なんて残された家族のためにあるようなもので自分が見られる訳でもなし、「骨は海にまいてくれ」と言える人が一人でもいればいいし、目下自分が死んだ時に、広くて浅い知り合いや、関係は深いけど、頻繁に連絡を取り合っている訳ではない友人に自分の死をどう知らせようかということの方が気になってしょうがないというのが本音。遺言書は、連絡リストになりそうな気配。。。今現在の自分には「無縁」自体が無縁。
 いずれにしても、孤独死をしないことよりも、生きている今をいかに孤独でないものにするか、今ある縁をいかに継続していくか、いかに新たな縁を築いていくか、ということの方が重要ってことです。
 血縁、地縁、社縁、女縁に限らない自分なりの「縁」をつくっていくことが、リスクヘッジにつながります。
 あとは、身元不明にならないことを祈るのみ。

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 □□今週の税金クイズ□□  
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[問題]
個人事業主として数年前からカフェを経営していたAさんが、個人で不動産賃貸の経営をしていた父親の事業を相続により引き継ぎました。相続に際して税金の試算をしてみたところ、消費税については簡易課税制度の適用を受けるほうが納税額が少なくなることがわかりました。そこでAさんは、相続があった年内に簡易課税制度選択届出書を税務署へ提出しました。さてこの場合、Aさんが簡易課税制度の適用を受けることができるのはいつからでしょうか?
(前提)父親は亡くなった時点で簡易課税制度の適用を受けていました。Aさんは相続があった年の前年から消費税の課税事業者に該当しており、簡易課税制度の適用についてはその他の要件は全て満たしているものとします。
@相続があった年から
A相続があった年の翌年から

正解が気になる方はこちら↓
 http://www.suda.gr.jp/quiz.html

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 税務豆知識に関連した事例クイズです。
 A社(親会社)がB社(A社の子会社)に対して有する売掛債権について、A社はB社の業績不振を理由に債権放棄をしました。この債権放棄は業績不振のB社の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであり、合理的な再建計画に基づくものであると認められるものです。
 このとき、A社が行ったB社に対する債権放棄は法人税法上の「経済的利益の無償の供与」があったとして、寄附金の額に該当すると言えるでしょうか?

@該当する
A該当しない
B寄附金以外の費用に該当する

[正解]A
 子会社等を再建する場合の無利息貸付け等を行った場合において、法人税法基本通達通達9−4−2が以下の通り規定されています。
 法人がその子会社等に対して債権放棄等(以下において「無利息貸付け等」という)をした場合において、その無利息貸付け等が例えば業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等その無利息貸付け等をしたことについて相当な理由があると認められるときは、その無利息貸付け等により供与する経済的利益の額は、寄附金の額に該当しないものとする。
 ただし、合理的な再建計画かどうかについては、支援額の合理性、支援者による再建管理の有無、支援者の範囲の相当性及び支援割合の合理性等について、個々の事例に応じ、総合的に判断するものと取り扱うこととされています。
 
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☆今週号の編集責任者は 小峰崇志 & 谷村和美 でした。
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