◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
  須田会計事務所メールマガジン      00390   2010.06.07発行
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

─────────────────────────────────
 □□今週の一言□□
─────────────────────────────────
 おはようございます。私(高橋)のところにも、子供手当ての通知が来ました。子供2人で26,000円。この子供手当ても、政権交代するまでの期間限定でしょうか。この手当てをもらうために、この子たちが将来背負わなければならないたくさん金利がついた借金を思うと、将来のためにもっと有効活用できる税金の使い道ってあるのではないか、と思い、やはり貯金に回したくなってしまいます。

─────────────────────────────────
 □□税務豆知識□□
─────────────────────────────────
<使用人が兼務役員に昇格した場合>
 会社を退職するときに受け取る退職金。しかし、実際には退職していなくても、退職金を受け取るケースがあります。例えば、使用人が役員に昇格した場合、また使用人兼務役員といわれる、取締役兼○○部長など、使用人としての立場がある取締役に昇格した場合、実質的には退職していなくても、使用人部分の退職金を支給されることがあります。
 このとき、支給する法人では以下の点に注意が必要です。
1.退職給与規定に基づき、使用人であった期間の退職金として計算される金額を支給すること。なお、未払い計上した退職金は、法人税法上の損金としては認められません。実際に支給された日の属する事業年度で損金として認められます。
2.使用人兼務役員が、副社長や専務など、兼務役員とはなれない役職に昇格した場合に支給される退職金は、原則として法人税法上は使用人の退職金としては認められず、役員の給与とみなされます。ただし、使用人兼務役員から専務や副社長に昇格した者が、過去に使用人から使用人兼務役員に昇格していて、また使用人としての退職金を支給されておらず、その法人の退職金規定に基づいて使用人期間に相当する額の退職金を支給されたときは、退職金として認められます。このとき、使用人としての期間がほんの少ししかないような場合には、退職金として認められないことも考えられますので、そのような特殊なケースは別途ご相談ください。
 このほか、役員に昇格させるということは、その会社の定款に基づき株主総会や取締役会の決議が必要ですから、その決議を記載した議事録や、役員として登記した後の登記簿など、その使用人が確かに取締役に昇格したことを証明する書類を保管しておきましょう。
 また、このようなケースに限らず、退職金を支給したときには、必ず「退職所得の受給に関する申告書」を作成し、受給者本人の認め印をもらうようにしてください。これがないと、2割という高い税率で所得税を源泉徴収しなければならないからです。
 上記のように、優秀な人材を離さないためには、まずは給与規定や退職金規定をきちんと整備することが肝要です。また、退職金規定を定めたら、その原資となる資金をどのように積み立てていくか、考えなくてはいけません。人を雇うということは、経営者にとって大変な問題が山積していますが、早め早めに準備しておきたいものです。

─────────────────────────────────
 □□あれやこれや一口コラム□□
─────────────────────────────────
[実りある人生]
 「華の47年組」という言葉をご存じでしょうか。昭和47年(西暦1972年)生まれには各界で活躍している人が多いという、テレビのお笑い番組から生まれた言葉です。確かに47年生まれで活躍しているお笑い芸人は多いのですが、他にもSMAPの木村拓哉、中居正広を始め、常盤貴子や松雪泰子、はるな愛など性別をも超えて活躍している人もいます。スポーツ界ではどうでしょう。相撲の貴乃花(現親方)やマラソンのQちゃんこと高橋尚子、サッカーでは日本を初のワールドカップ出場に導く決勝ゴールを決めた野人こと岡野雅行もそうです。単に活躍というだけではなく、その道の頂点を極めた、スポットライトを浴びた人が多いというのが「華」たるゆえんでしょう。そして、先日試合前の練習中にグランドで倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったジャイアンツの木村拓也コーチも47年生まれでした。SMAPの木村拓哉と同年生まれの同姓同音名ということで「球界のキムタク」と呼ばれることもありましたが、華の47年組にあっては地味な存在であったと思います。その彼の突然の死に、同じく47年生まれの私は少なからずショックを受けました。
 野球に詳しい人なら彼が元々捕手だったことをご存じなのでしょうが、私は野手だと思っていました。しかもどこでも守れる器用な選手だと。それが思い違いであったことは、偶然読んだ木村氏のプロ野球新人選手研修会での講演内容によって知らされました。
http://www.giants.jp/G/gnews/news_392604.html
 かいつまんで説明します。高校時代は4番で捕手、通算35本のホームランを打ち、当然ドラフトで指名されるものだと思っていたが指名されず、不満だった。ドラフト外で入団したがプロの練習に全くついていけず、初めて自分がお山の大将だったということに気づいた。当然支配下登録もされず任意引退扱いに。が、ここからが並みの選手とは違うところ。自分が生き残るためにはどうすればいいかを考えて行動に出ます。外野に欠員が出たといわれれば捕手を捨てて外野の練習をし、1番がいないから打てといわれれば4番のプライドをも捨て1番を打つ。試合に出るためならとセカンドの練習もする。左右どちらの投手が出てきても使ってもらえるようにとスイッチヒッターに取り組む。不本意なトレードも経験したが、それでもプロ10年目にはフル試合出場を果たし、平均寿命8〜9年といわれる厳しいプロ野球の世界で19年、生き残ることができた。プロの世界では誰しもが思い描くような成功を収められるわけではない、その時にただ諦めるのではなく、考え、自分の可能性を探ることも必要ではないかと締めくくられています。
 文章になっているせいもあってか、淡々と語られている印象ですが、そこからじんわりとした熱のようなものを感じるいい話だなと思いました。そしてその語り口とは裏腹の泥臭く壮絶な野球人生と真摯な態度に非常に心を打たれました。同じだけの年月を流されるままに送ってきた自分を少し恥ずかしく思いさえしました。
 なりふり構わず一生懸命頑張る。ダサいといって敬遠されがちです。が、理想と現実が違ったとき、自分が力不足であることを思い知らされたとき、謙虚に我が身を振り返り、どうすべきかを考え、もがき、必死に努力することで見えてくるその人なりの頂点、華もあるのではないか。今更ながらそんなことに気づかされました。目標を持ってするその努力は決して無駄にはならないはずです。
 ある試合で、巨人軍がけがや代打でベンチ入りした捕手3人を使い切ってしまったことがありました。その時原監督は木村氏を捕手に起用しました。もちろん元捕手だったことを知った上での起用でしょうが、相当のブランクもあり、勇気ある決断だったと思います。でも彼に託した。恐らく監督は苦労人の彼ならこの局面も切り抜けてくれると信じていたに違いないと私は思います。そして彼もその期待に応え無事大役を果たしました。木村氏は巨人の生え抜きではありませんが、原監督はその翌年、引退する彼にコーチのイスを用意していました。このことからも指揮官の信頼の厚さが見て取れます。残念ながら指導者としての道は半ばで途絶えてしまいましたが、きっといい指導者になったことでしょう。努力はいつか花を咲かせ、そして信頼という実をも結ぶのだということを忘れてはいけないと改めて思います。

─────────────────────────────────
 □□今週の税金クイズ□□  
─────────────────────────────────
[問題]
 取締役兼営業部長に昇格した甲さんは、役員給与が30万円、営業部長としての給与が50万円です。このとき、甲さんは、雇用保険に加入できるでしょうか?
@役員に昇格したら雇用保険の資格は喪失する
A営業部長としての50万円部分のみ、雇用保険の資格がある
B給与全体の80万円に対し、雇用保険の資格がある

正解が気になる方はこちら↓
 http://www.suda.gr.jp/quiz.html

─────────────────────────────────
 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
─────────────────────────────────
[問題]
 個人事業主として数年前からカフェを経営していたAさんが、個人で不動産賃貸の経営をしていた父親の事業を相続により引き継ぎました。相続に際して税金の試算をしてみたところ、消費税については簡易課税制度の適用を受けるほうが納税額が少なくなることがわかりました。そこでAさんは、相続があった年内に簡易課税制度選択届出書を税務署へ提出しました。さてこの場合、Aさんが簡易課税制度の適用を受けることができるのはいつからでしょうか?
(前提)父親は亡くなった時点で簡易課税制度の適用を受けていました。Aさんは相続があった年の前年から消費税の課税事業者に該当しており、簡易課税制度の適用についてはその他の要件は全て満たしているものとします。
@相続があった年から
A相続があった年の翌年から

[正解]A
簡易課税制度の選択については、原則としてその適用を受けようとする課税期間(個人は1月1日から12月31日までの期間)の初日の前日までに届出書を提出していることが必要です。もし、Aさんが相続によって新たに消費税の課税事業者になるのであれば、特例としてその年内に届出書を提出することでその年から簡易課税制度の適用を受けることができます。しかし、Aさんは元々課税事業者だったため、原則通り届出書の提出をした年の翌年からの適用となってしまいます。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
☆今週号の編集責任者は 高橋英江 & 泉麻里子 でした。
☆須田会計事務所のホームページも是非ご覧下さい。URLは
 http://www.suda.gr.jpです。
☆本メールに関するご意見・ご要望を是非お寄せ下さい。アドレスは
 mail@suda.gr.jpです。
☆アドレスの変更や配信中止についても上記のアドレスまでご一報お願いします。
☆本メールに返信されましても対応できませんので、ご了承下さい。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲