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  須田会計事務所メールマガジン      00407   2010.10.04発行
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 □□今週の一言□□
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 いよいよ今月からグループ法人税制が本格適用されます。平成22年4月1日以後に開始する事業年度より、いわゆる中小企業の特例規定(法人税の軽減税率、交際費の一部損金算入等)の不適用や、受取配当等の益金不算入の規定に関してはすでにグループ法人税制が適用されていますが、その他の規定に関しては平成22年10月1日以後に開始する事業年度より適用されることとなっているため、今後注目していきたいと思います。

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 □□税務豆知識□□
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<債務確定主義>
 今回は法人税法を知るにあたってかなり重要な概念である債務確定主義について解説したいと思います。会計上、費用として認められるものは原則として税法上も費用として認められますが、税法特有の概念として債務が確定していないものについては費用として認めないという考え方があり、この考え方を債務確定主義と呼びます。債務確定主義は納税者が恣意的に費用を計上することを認めると、税法の最大の目的である課税の公平が保たれないという趣旨から成り立っています。
 債務が確定している要件として次の3つが挙げられます。
@当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること
A当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
B当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること
 では、債務確定主義が実際どのような場合に採用されるのか、退職金を例に考えてみます。
 Aさんは数年来X社の役員としてその職務に従事してきましたが、当期の5月末で退職することになりました。Aさんは在職年数等の要件を満たしているため、Aさんに対する退職金の額及びその支給については、当期の5月に開催された定時株主総会で役員退職給与規定に基づき決議が行われました。当該規定に基づき計算された退職金の額は、不相当に高額な金額ではないとします。
 この場合、上記の3要件にあてはめると、Aさんは在職年数等の要件を満たしていること(@に該当)、当期においてAさんが実際に退職したという事実が発生していること(Aに該当)、退職給与規定に基づき適正な金額が合理的に算定できること(Bに該当)から債務確定主義の3要件をすべて満たしていると考えられるため、Aさんに支給した退職金の額は税法上、当期の費用として認められます。
 このように、税法には債務確定主義という税法独特の考え方が存在しているため、会計上の費用と税法上の費用が必ずしも同じ金額になるとは限らないということを日頃から意識してみてはいかがでしょうか。

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 □□あれやこれや一口コラム□□
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<国勢調査>
 先日、我が家に国勢調査の調査員が来ました。 
 国勢調査とは、日本の人口・世帯の実態を明らかにすることを目的として、日本に住んでいるすべての人・世帯を対象に行われる国の最も重要な統計調査で、調査は5年ごとに行われ、調査結果は都議会や市議会などの議員定数を決定したり、高齢者福祉、児童福祉の施策の基礎資料として利用されたりします。
 そんな国勢調査ですが、今年は西暦の末尾に0が付く年なので大規模調査として実施され、調査項目も5年前の調査と比べると若干増えています。
 調査方法はこれまでと同様に、調査員が各世帯を訪問して調査票を配布、回収するという方法のほかに、調査票を郵送で提出する方法や、東京都のみですがインターネットを利用して回答する方法も採用されています。こうした調査方法の変更は、個人情報保護意識の高まりから調査員に中身を見られたくない人への配慮や、統計調査の理解、協力意識の希薄化から、少しでも調査票の回収率を高めるために今回から導入されたものです。
 調査がある度に、何で調査票を郵送で配布しないの?と思っていたのですが、調査員が調査票を配布するのは、実際に住んでいるかどうかを確認し、確実に住んでいる人に渡すことが目的のようです。
 近年の国勢調査では、個人情報だから回答しないという人の増加や、オートロックマンションの普及により調査員が世帯の確認を出来ないことなどから、有用な調査結果を得ることが困難になっているようですが、本当に将来の施策などに役立つものであれば、私(中原)は提出してもいいかなと思っています。

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 □□今週の税金クイズ□□  
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[問題]
 B社は従来からの得意先との間で自社商品の販売契約を結んでおり、当期において適正な収益計上基準に基づいて収益計上された売上高等があるのですが、一部の商品については当期末までにその売上原価が未確定でした。この場合、その売上原価を見積り計上し、当期の費用とすることができるでしょうか。
@できる
Aできない

正解が気になる方はこちら↓
 http://www.suda.gr.jp/quiz.html

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 □□先週の税金クイズの解答発表!□□  
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[問題]
 税率の引き上げにより日本のたばこ一箱当たりの税率は約66%になります。では次のうち、たばこ一箱当たりの税率が最も高いのはどの国でしょうか?
@フランス
Aイギリス
Bドイツ 

[正解]@
 フランス80.4%、イギリス76.5%、ドイツ75.8%です。実際の価格で見ると、イギリス:約970円、フランス:約660円、ドイツ:約580円となっています。日本の400円は世界に比べるとまだまだ安い方なんですね。

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☆今週号の編集責任者は 宮元健志 & 中原敬和 でした。
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